谷繁元信のセ・リーグ順位予想。巨人と阪神はどっちが上? 連覇を狙うヤクルトの不安は? そして最下位は... (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 不安があるとすれば、レギュラー陣がひとりでも欠けた場合です。サブ的な選手では楠本泰史が伸びていますが、「台頭してきた」と言えるところまではきていません。キャッチャー陣も含めたバッテリーの不安がまだ少し大きいので、そこがどう出るかだと思います。

【5位予想:阪神】

 絶対的な抑えだった(ロベルト・)スアレスの抜けた穴が投手陣全体に歪みを作るのでは......と不安視しています。

 先発陣には青柳晃洋、西勇輝がいますが、「柱」とまでは言えません。藤浪晋太郎は「今年はいい」という声が聞こえてきますし、ポテンシャルとしてはローテーションを1年間回ってすごいピッチングをする力を秘めていますが、結局シーズンが始まるまで読めないピッチャーです。

 そこを中継ぎ陣がどれだけカバーできるかですが、昨年は勝ちゲームのパターンを作ろうとしていろんなピッチャーを試したけど、シーズン終盤になっても固まりませんでした。同じ作業を今年、シーズン最初からしないといけないのは不安要素です。

 矢野燿大監督が春季キャンプ前日に今季かぎりでの退任を発表した影響も、どう転ぶかわかりません。

 今年が最後だから「なんとか矢野さんを男にしてユニフォームを脱いでもらおう」と意気に感じる選手がいれば、逆に「今年で最後だから、次の監督が入ってくる時に向けて準備しておけばいい」と思う選手もいるかもしれません。オールスターくらいまで借金5〜10の間を行ったり来たりしているような状態になると、「もういいか、辞めるから」とモチベーションが下がる可能性もある。

 タイガースは全体的に不確定要素が強いので、5位という予想にしました。ただし、ポジティブな要素に目を向けると、大卒2年目の佐藤輝明は昨年よりいい数字を残すと思います。昨季前半はずっと打ち続けて、後半は抑え込まれた。あの経験を今年、活かしてくれるはずです。

 僕は一昨年、昨年と、タイガースの優勝を予想しました。佐藤も含め、ここで名前を挙げた選手がチームの柱になってくるようなら、優勝争いをする力を秘めていると思います。

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