日ハム・白村に送りたい、投手→打者転向の成功者・雄平の言葉 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 そして、今年2月に打者に転向した日本ハムの白村明弘からは、オフに日本ハムからヤクルトへ移籍してきた高梨裕稔を通じて連絡があったという。

「細かい話はまだですが、何かあったらいつでも聞いてくれと伝えました。まずは、どんどんトライしてほしい。経験を重ねることでわかることもあるし、ティーバッティングひとつにしても。ほかの選手よりも"感覚"がないわけですから......。ただし、ただやみくもに数だけを振っても意味はないので、しっかり考え、感じ取りながら数をこなすということですね」

 じつは、ヤクルトには石井琢朗打撃コーチと宮出隆自打撃コーチという、投手から打者に転向した経験があるふたりのコーチがいる。

「宮出さんはピッチャーの時から知っていて、琢朗さんは2000本安打のイメージが強すぎて転向していたことをたまに忘れちゃうんですけど(笑)。そうした経験者がコーチにいてくれて、僕は運がいいなと思います。毎日、バッティングについて話をしてくれますし、本当にありがたい存在です」

 雄平は昨シーズンの練習中に「僕にはまだまだ"伸びしろ"があります」と、石井コーチ、宮出コーチ、宮本慎也ヘッドコーチの前で言ったことがあった。

「僕は技術的にも未熟なところが多いので、その部分が伸びしろになると思っています。今、練習であれだけ飛距離が出ているということは、試合でも同じタイミングで同じスイングができれば、数字も一気に伸びるはず。もちろん、試合となればボールは速いですし、(対戦する投手は)いろいろな球種を投げてくるので難しいのは当たり前です。でも、考え方だったり、タイミングの取り方だったりがまだアジャストできていないからで、それができるようになればもっとよくなると思うんです。そういったところで、細かい調整やタイミングの取り方がまだまだ上手じゃないので......そこらへんですね」

 石井コーチに雄平について聞くと、「向上心の塊ですよね。それに尽きます」と言った。そして"伸びしろ"について話を向けると、「あとは頭の伸びしろだけ」といたずらっぽく笑うのだった。

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