トライアウト2015。48人の中から「契約」を勝ちとるのは誰だ? (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 上園は過去5年間、一軍での勝ち星がなく、今季は二軍でも6試合の登板で防御率24.63と散々な成績。榊原も今季、一軍登板はなかった。ともに一発勝負のトライアウトでラストチャンスにかける。正田は日本ハム、阪神、興農(台湾)、レッドソックス(MLB/マイナー契約)、新潟(BCリーグ)、ヤクルト、ラミゴ(台湾)、愛媛(四国リーグ)と、日米台を股にかけて転戦しているジャーニーマン。2度目のNPB復帰なるか。

 数少ない先発タイプの右腕では山内壮馬(30歳/前中日)の名前が挙がる。2007年の大学生・社会人ドラフトで1位指名された逸材で、2012年には10勝をマークしたこともある。ストレートの球速は常時130キロ台と速くないが、ボールを微妙に動かしてゴロを打たせる投球が持ち味。

 加賀美希昇(27歳/前DeNA)は、プロ2年目に3勝を挙げたホープだったが、右肩を故障して以降、スピードが激減。武器のチェンジアップが生きなくなってしまった。まだ27歳と若いだけに、再生に期待がかかる。

 右のリリーフタイプでは、DeNA時代にセットアッパーとしての実績がある藤江均(29歳/前楽天)を筆頭に、上野大樹(29歳/前ロッテ)、森内壽春(30歳/前日本ハム)、河野秀数(27歳/前日本ハム)も一軍で活躍経験のある投手だ。

 また、田中靖洋(28歳/前西武)は今季10年目にしてプロ初勝利、初セーブを挙げるなど、18試合に登板して1勝1敗1セーブ、防御率1.35。まずまずの結果を残していただけに、意外な戦力外通告となった。10年間かけてつかんだ技術をトライアウトで発揮できるか。

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