【特別対談】千賀滉大が『キングダム』原泰久に明かした「メジャー1年目で12勝を挙げられた理由」 (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 市川光治(光スタジオ)●編集協力

千賀 じつは最初に読もうとした時、一回閉じたんですよ。登場人物が多いし、しかも漢字ばっかり。「ちょっと待って。これメチャクチャ覚える系だ」と思って。でも、みんなに話を振られても大丈夫なように、1回目はサーッと内容を頭に入れる感じで読んで、2回目にガチ読みする感じにしているんです。

 同じ話を二度読んでいただけるなんてうれしいです。

── 千賀投手が『キングダム』にハマった理由は?

千賀 僕は「こうと決めたら、こうする」みたいな人間が好きなんですよ。信はまさにそれ。それ以外の登場人物もそれぞれが思いを持って、しかもブレる人があんまりいないですよね。すごくまっすぐ。それが面白いと思う理由のひとつかもしれないです。

 千賀投手は昌平君が一番好きなんですよね?

千賀 そうです。呂不韋に「世話になった」と言った場面。あれが衝撃的すぎて、ズキュンってなりました。「え、好き」みたいな(笑)。信は、僕に若干似ているところがあるので。それを好きというのも自意識過剰かなって。

 似ているって感覚はあるんですね。

千賀 ありますね。一番下だったけど、その頃から一番上に行くことを目標にしてだんだん上がっていくところは。

 たしかに野球人生の経過は信に重なりますけど、千賀投手のキャラや性格的な部分は昌平君の雰囲気はありますね。軍師というか、侍的な。千賀投手からは侍を感じます。

【日本にいた頃からメジャーで戦う準備をしていた】

── 昨年ニューヨーク・メッツに移籍。1年目から12勝と大活躍でした。

 メジャーに行くとマウンドやボールの違いで苦戦するじゃないですか。正直、昨年は環境に慣れるための1年で、活躍してくれるのは2年目以降かなと思っていたんです。1年目から勝てた理由は何なのですか?

千賀 日本にいた頃に、メジャー1年目から戦えるための準備をしていました。「もっとこうしなきゃ」がないように。日頃の練習、データの勉強、投球フォームも考えて毎試合違うことを試したり、あらゆることを想定していました。

 それで何も慌てることはなく順応できたんですね。

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