大谷翔平「三冠王」の可能性は何パーセント? 首位打者争いでは思わぬライバルが (2ページ目)

  • 井本佳孝 取材・文 text by Imoto Yoshitaka
  • photo by Getty Images

【打率は"隠れ首位打者候補"、打点はトラウト再離脱がネック】

 続いて打率は、後半戦に入って執拗な"四球攻め"に合う中でも調子を落とさずに8月を終えようとしている。今季の月間打率は.315だが、2021年の同打率が.257、2022年が.273だったことを考えても、いい状態で終盤を迎えたと見ていい。規定打席に到達しての打率3割を達成すれば自身初。過去の日本人野手ではイチロー(元シアトル・マリナーズなど)が10度達成、2005年には松井秀喜も達成しているが、先人たちに並ぶことができるか。

 首位打者争いでトップを走るのは、4月から常に月間打率3割を上回ってきたヤンディ・ディアス(タンパベイ・レイズ)。8月後半さらに状態を上げ、打率.326と大谷を大きくリードする。

 さらに、"隠れ首位打者候補"としてライバルとなり得るのがコーリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)だ。シルバースラッガー賞を2度受賞するなど輝かしい実績を誇る左の巧打者は、故障で戦線離脱していた時期があるため規定打席には到達していないが、8月28日時点で.346の高打率を残している。MLBシーズンの規定打席数は502で、シーガーの打席数は402。またケガで離脱、ということがなければタイトル奪取が現実味を帯びてくる。

 大谷にとっては、首位打者よりも打点王のほうが狙いやすそうだ。97打点と100打点に迫るカイル・タッカー(ヒューストン・アストロズ)がトップ、2位のアドリス・ガルシア(レンジャーズ)が95打点と、92打点の大谷と差はわずか。走者を置いた場面で、本塁打やタイムリーなどでいかに打点を稼げるかが、打点王のタイトル獲得のカギになる。

 ネックとなるのは、復帰したばかりのマイク・トラウトの再離脱。7月に左手有鉤骨を骨折し、1カ月半ほど戦線を離れていたトラウトは、8月22日のレッズ戦で50日ぶりに復帰を果たしたものの、翌日のダブルヘッダーを2試合とも欠場。再びIL(故障者リスト)入りすることになった。大谷の前後を打つバッターとして頼れる主砲の離脱がどう影響するのか。

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