プロスカウトがセンバツ出場の逸材17人をリアル評価 将来的に大化けする可能性がある」と絶賛された選手は? (4ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka

 このほかには「球質がいい。低めに角度のある球がいっている」(セ・リーグスカウトB氏)と愛工大名電の伊東尚輝、「低めのまっすぐの質がいい。股関節の使い方がよく伸びる可能性がある」(パ・リーグスカウトA氏)と関東一の坂井遼、「真上から投げ下ろせるし、ポテンシャルはある。体のキレが出れば」(パ・リーグスカウトC氏)と高知・平悠真の名前が挙がった。

阿南光戦で本塁打を放った豊川のモイセエフ・ニキータ photo by Ohtomo Yoshiyuki阿南光戦で本塁打を放った豊川のモイセエフ・ニキータ photo by Ohtomo Yoshiyukiこの記事に関連する写真を見る

【打者で高評価だった選手は?】

「いない、いない」と言いながらも、スカウト陣からはそれなりに投手の名前は出た。ところが、打者に目を向けると途端にスカウトたちの口が重くなった。そんななかで、真っ先に名前が挙がったのが、新基準バット初本塁打を記録した豊川のモイセエフ・ニキータだ。

「バットは振れる。パンチ力もある。速い球に対応できている。変化球の待ち方もよく、タイミングの取り方もうまい。甲子園では3三振しましたけど、普段はほとんど三振を見ることがない。うしろが小さく前が大きいスイングなので、木製バットにも対応できるでしょう」(パ・リーグスカウトA氏)

「自分から仕掛けていけるのがいい。背筋が強いから打球が飛ぶし、ツボを持っている。木製バットでも打てるスイングをしています。左打者なら高校生上位5人に入るでしょう」(セ・リーグスカウトB氏)

 一方で、「左投げ左打ちの外野手。足と肩は普通なので、相当打たないと......」(セ・リーグスカウトD氏)という声も聞かれた。

 同じ外野手で高評価だったのが、神村学園戦でランニングホームランを放った大阪桐蔭の境亮陽(りょうや)。中学3年時に100メートル11秒06をマークし、陸上のジュニアオリンピックに出場した俊足、投手としても最速146キロを投げる強肩を持っている。

「足と肩があるのが魅力。多少打てなくても、足と肩があれば守備固めや代走で出場機会を得られますから。打撃では上からきれいにバットを出して引っ張った場面があった。『そんなこともできるの』と驚きました」(パ・リーグスカウトC氏)

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