2024センバツ有力校はこの6校 3つのデータから導き出した投打のバランスナンバーワンは? (3ページ目)

  • 田尻賢誉●文 text by Tajiri Masataka

 3校を追うのが、ともに甲子園経験者が残る健大高崎と神村学園。プロ注目の強肩捕手・箱山遥人が攻守に引っ張る健大高崎は全出場校中トップのチーム打率.397、OPS3位の強打が自慢。機動破壊といわれたかつてのような攻撃はないだけに、新基準バットになってどれだけ秋と変わらない打撃ができるか。

 投手陣は2年生の二枚看板。U−15日本代表経験を持つ左腕・佐藤龍月、最速148キロを誇る石垣元気はともに球威があり、三振も取れるが、粗削り(K/BBは22位)。箱山のリードがカギを握る。

 昨夏の甲子園4強の神村学園はBB/K、OPSともに1位と強打を誇る。夏もクリーンアップを打った正林輝大、岩下吏玖、甲子園で打率.500を記録した上川床勇希ら経験豊富な打者が残っているのは強みだ。問題はK/BBが24位の投手陣。エース・今村拓未は昨夏の甲子園・市和歌山戦で先発も3四死球を与え、3分の2イニング、20球で降板。四球から崩れるパターンから脱却できるか。

【制球力に不安を残す大阪桐蔭投手陣】

 これらの5校と同様に力を持つのが明治神宮大会優勝の星稜、準優勝の作新学院、近畿大会王者の大阪桐蔭だろう。

 星稜は21年に全国二冠に輝いた星稜中出身の選手が多く、勝ち方を知っているのが強み。エースの左腕・佐宗翼はK/BB5.44を記録。右腕の道本想もK/BB3.91をマークし、チームK/BBは4位。強力投手陣で秋春連覇を狙う。

 作新学院は大会屈指の右腕・小川哲平を擁する。中学時代に144キロをマークした速球は最速147キロ。昨春のセンバツはヒジ痛の影響で3分の1回、10球しか投げられなかった。大会ナンバーワン投手として臨む今大会で雪辱を誓う。

 大阪桐蔭はBB/K10位、OPS13位と打線は例年のような迫力はないが、昨年から3番に座る徳丸快晴、昨秋12試合で5本塁打のラマル・ギービン・ラタナヤケら能力のある選手が並ぶ。

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