【新車のツボ156】歴代最高のＺ４。ミドル級スポーツカー希望の星 (4ページ目)
ただ、新型Z4でいちばん心に染み入るツボは、そういう枝葉部分の味つけよりも、本物のスポーツカーとしての骨太な手応えにある。ショートホイールベース＆ワイドトレッドによる生来の回頭性、潜り込むように低いシートポジション、いかにも高剛性かつ低重心な肌ざわりと身のこなし......といった新型Z4の特質は、あえて気軽な雰囲気重視オープンカーだった先代とは好対照である。
聞くところによると、共同開発にあたってトヨタがBMWに突きつけた第一の思いが「ポルシェにマジで勝ちたい！」という野望だったという。最初は「そんなん無理。わが欧州には棲み分けというものがある」と一笑に付していたBMWも、トヨタとやり合ううちに本気に......とはトヨタ担当者の弁だ。
その話がどこまで本当かは定かではないが、実車のデキを見るに、なるほどBMWもけっこう本気でポルシェ超えを狙っているのかも......と思えるのが新型Z4最大のツボである。もしこれが本当にトヨタがBMWの尻を叩いた結果とすれば、それはそれで日本のクルマオタクとしてもちょっと誇らしい。
【スペック】
BMW Z4 M40i
全長×全幅×全高：4335×1865×1305mm
ホイールベース：2470mm
車両重量：1570kg
エンジン：直列6気筒DOHCターボ・2997cc
最高出力：340ps／5000rpm
最大トルク：500Nm／1600-4500rpm
変速機：8AT
JC08モード燃費：13.2km/L
乗車定員：2名
車両本体価格：835万円
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