宮司愛海アナが北京五輪で期待しているアスリート。忘れられない名実況と大学受験時のエピソードも明かした (3ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi


【前人未到の"大技"成功へ 男子フィギュアスケート・羽生結弦】

 そしてなんと言っても、今大会で大注目なのが男子フィギュアスケートの羽生結弦選手。昨年末の全日本選手権でも現場で取材していましたが、代表内定会見で「4回転アクセルを決めて勝ちにいきたい」と明言していました。4回転アクセルを成功させて大会3連覇の偉業を成し遂げられるのか。全世界が注目するところですね。

 宇野昌磨選手は2020年に練習拠点をスイスに変えて、新たな環境のなかで大変なシーズンを送ったりと、さまざまな経験を経て、今大会に臨みます。フリーは世界屈指の難度のプログラムで滑るので、期待が高まりますね。初の大舞台に上がる鍵山優真選手も、自身の今後のキャリアにとって大きな意味を持つ大会になると思うので、どんな演技を見せてくれるのか注目したいです。

 ちなみに、これは余談ではあるのですが、冬季オリンピックのフィギュアスケートには、個人的に思い出があります。一番印象深いのが、荒川静香さんが金メダルを獲得した2006年トリノ大会です。その時の実況を担当されたのが、NHKの刈屋富士雄アナウンサー。金メダルの瞬間の「トリノのオリンピックの女神は、荒川静香にキスをしました」という名実況にすごく感動した記憶があります。その後、私がスポーツキャスターになって、とある会見場でたまたま隣に座ったことがあるのですが、とても緊張したのを思い出します(笑)。思いきって話しかけてみたら、刈屋さんがすごくいい方で、これまた感動でした。

 あとは、髙橋大輔選手が銅メダルを獲得した2010年のバンクーバー大会。その時はちょうど受験生で、試験の日程の間隔が一週間くらい空いて、東京に滞在していたんです。その間ずっとテレビでフィギュアスケートの中継を流したまま勉強していたのですが、ふと見た髙橋選手のステップに魅せられて、目が釘づけになってしまいました。勉強していたのに(笑)。あの頃は、まさかその後一緒にお仕事をすることになるとは夢にも思わなかったですね。

 このように、みなさんにとってもきっといろんな思い出があるでしょうし、選手の皆さんそれぞれにも演技にかける強い想いがあります。結果も大事ですが、まずは勝ち負けや順位より、それぞれが自分らしい滑りをして、納得のいく演技になってくれたらいいなと思います。

 まだまだたくさん期待している競技や選手がいるのですが、今回はここまで。

 最後に、2022年の個人的な目標をお話しさせてください。

 これまで東京オリンピックなどを通じて、数多くのアスリートを取材させていただきましたが、スポーツ取材とは「人」と向き合うことではないかと、最近強く感じます。スポーツを通じてその選手の人柄や物語を知り、それを言葉にして伝えていく。それが私の仕事なのだろうなと。北京では、その選手の核心の部分を伝えられるような取材者でありたいと思いますし、大会を終えたあとも、人ときちんと向き合って、人の心の大事な部分に関するエピソードを引き出し、伝えていける人間でありたい。今年はそんな伝え手になれるよう努力していきます。
 
 ではみなさま、2022年もよろしくお願いします!

PROFILE
宮司愛海(みやじ・まなみ)
7月29日生まれ。2015年フジテレビ入社。福岡県出身。血液型:0型。スポーツ・ニュース番組『S-PARK』のメーンキャスター。スタジオ内での番組進行だけでなく、現場に出てさまざまな競技にふれ、多くのアスリートに話を聞くなど取材者としても積極的に活動。
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■フジテレビ系では北京五輪で以下の競技を中継予定
2月6日(日)10:00~フィギュアスケート団体(女子ショート・男子フリー)
2月12日(土)19:50~ジャンプ男子ラージヒル決勝
2月15日(火)15:00~スピードスケート女子団体・男子団体パシュート決勝
2月15日(火)19:50~ノルディック複合個人ラージヒル10km
2月18日(金)17:00~スピードスケート男子1000m
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