宮司愛海アナが北京五輪で期待しているアスリート。忘れられない名実況と大学受験時のエピソードも明かした (2ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi


【大会連覇なるか⁉ 女子団体パシュート】

 続いては、スピードスケートの女子団体パシュート。平昌大会では日本初の金メダルを獲得し、今回は連覇がかかる種目です。髙木菜那選手、妹の美帆選手、佐藤綾乃選手、押切美沙紀選手と、前回とほぼ同じメンバーで臨みます。ただ、平昌の時とは作戦が違うんです。これは日本チームだけでなく、海外の選手たちも同様で、パシュートの戦い方のトレンドがこの1年でガラリと変わっているんです。

 というのも、これまでのパシュートだと、空気抵抗が大きく体力が奪われてしまう先頭を交代しながら滑るのが主流でした。しかしいまは、入れ替え回数を大幅に減らし、後ろの選手が前の選手を押して滑っていく"プッシュ式"という戦術が多く取り入れられるようになってきました。体力消耗の軽減というメリットよりも、先頭交代による減速を防ぐことに重点を置いた戦術で、実際に日本も試合に取り入れています。

 この戦術でカギを握るのが、おそらく一番うしろの位置を務めるであろう美帆選手。彼女はスプリンターであり、中長距離もできるオールラウンダーなので、うしろから前の選手たちを鼓舞しながら、チームを金メダルに導く存在になってくれると期待しています。

 それに美帆選手に関しては、個人戦も見逃せませんよね。なんと言っても、ひとりで5種目も出場するわけですから。オリンピックに出られるだけでもすごいのに......。そのオールラウンダーとしての実力を発揮して、前大会で獲得できなかった、個人種目での金メダルという夢が形になってくれることを祈るばかりです。

 そして、平昌の女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒選手。彼女は同大会後にケガをして、体が思うように動かず、ずっと自分と向き合ってきました。自分のスピードスケート人生とは何か、自分に問い続けた4年間だったのではないでしょうか。オリンピックに関して、「人生のなかでもその一瞬にしか出会えない『学び』に早く出会いたい」と話していたように、この北京の舞台が、小平選手にとってのひとつの答えが出る場所になると思います。どんな結果であれ、自分らしく滑る小平選手の姿に注目したいです。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る