規格外FWルカクのワザはマネできる? 世界トップレベルのポストプレーを詳細解説 (2ページ目)

  • 松岡健三郎●取材・文 text by Matsuoka Kenzaburo
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

◆6歳でプロになると決意。怒れるルカクはデカい選手の育成の好例だ>>

 それでもルカクは、相手を背にしながらでも、今回紹介した「足裏ターン」や「ツマ先トラップ」などを使って、積極的に前を向きます。

相手をブロックしながら、半身でボールを受けるポストプレー相手をブロックしながら、半身でボールを受けるポストプレーこの記事に関連する写真を見る 基本は、半身の姿勢で後方からボールを受け(ルカクは左利きなので、右半身で相手をブロックして左足でボールを受ける)、相手が背中側から体を当てに来ているのか、お腹側から狙われているのかを感じて、その逆側にボールを運んで反転して入れ替わります。

 あの体の大きさ(191cm、94kg)でスピードもあるので、ちょっとでも前を向ければ一気に相手を置き去りにして、ゴールへ向かってボールを運ぶことができます。

 今はDF1人でルカクを止めるのはなかなか難しいですよね。彼からボールを奪いに行くなら、2人で行かないと無理でしょう。

 それくらい現在好調のルカクですが、今回紹介した「足裏ターン」や「ツマ先トラップ」などの足ワザは、体格に関係なく仕掛けられるプレーです。

 FWの選手が、前線で相手を背負った状態で、ボールを一旦止めてから仕掛けるのはなかなか難しいです。ですから、半身の体勢から相手の位置をしっかり把握したうえで、今回のような足ワザを使って、積極的に前を向いたプレーをしてほしいと思います。

ロメル・ルカク
Romelu Lukaku/1993年5月13日生まれ。ベルギー・アントウェルペン出身。地元のクラブで頭角を現し、アンデルレヒトの育成組織へ。16歳でトップデビューすると翌シーズンにベルギーリーグ得点王に輝く。2011年からプレミアリーグへ行き、チェルシー、WBA、エバートン、マンチェスター・ユナイテッドでプレー。19年からはインテル(イタリア)に活躍の場を移し、2020-21シーズンはリーグ優勝に貢献し、セリエAのMVPを獲得。ベルギー代表では黄金世代の一人として、すでに50得点以上決め、同国歴代最多得点記録保持者となっている。

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林 陵平
はやし・りょうへい/1986年9月8日生まれ。東京都八王子市出身。ジュニアからユースまで、東京ヴェルディの育成組織でプレーし、明治大学を経て2009年に東京ヴェルディ入り。レフティの大型FWとして活躍した。10年に柏レイソルに移籍し、11年にJ1優勝を経験。その後、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、再び東京Ⅴ、FC町田ゼルビア、ザスパクサツ群馬でプレーし、20年に現役を引退。Jリーグ通算300試合出場67得点。現役時代から海外サッカー通として知られ、メディア出演多数。21年から東京大学運動会ア式蹴球部の監督を務めている。

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