フィル・フォーデンの超得意ワザ、ライン間で前を向くターンを徹底解説 (2ページ目)

  • 松岡健三郎●取材・文 text by Matsuoka Kenzaburo
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

◆メッシと同種の能力。ペップがフォーデンに固執する理由

 このように相手DFライン前で、前を向いてボールを持てる選手は、チームとして非常に大きい存在です。この状態からは、ラストパスも出せるし、自らシュートを狙いにもいけます。相手にとっては非常に危険な、対応が難しいプレーになります。

 僕はヨーロッパの試合をよく見ていて、現役時代は個人にフォーカスしていました。とくにFWだったこともあり、同じFWの選手の動き方や、味方からのボールの引き出し方とかを参考にしながら見ていました。

 でも今は、(東京大学運動会ア式蹴球部の)監督になって、より戦術的な見方をするようになりました。各チーム攻守において可変的なシステムが多くなっているので、そのあたりのチームの動き方や、ポジショニングを見るようになりましたね。

 その観点から言っても、マンチェスター・シティにおけるフォーデンのプレーや存在感は、際立っています。まだ21歳ですけど、ジョゼップ・グアルディオラ監督のサッカーで重要な存在であることは間違いないですね。

 個人スキルの高さが、ばっちりチームにはまっている選手だと思います。

フィル・フォーデン
Phil Foden/2000年5月28日生まれ。イングランドのストックポート出身。9歳からマンチェスター・シティの下部組織に所属。17歳でトップチームデビュー。2020-21シーズンはレギュラーポジションを獲得し、リーグ優勝、チャンピオンズリーグ準優勝に大きく貢献した。21歳ながらすでに公式戦100試合以上に出場し「クラブの未来」と言われるレフティのゲームメーカー。イングランド代表では、2017年にU-17W杯で優勝しMVPを獲得。A代表ではユーロ2020に出場し、準優勝に輝いた。

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林 陵平
はやし・りょうへい/1986年9月8日生まれ。東京都八王子市出身。ジュニアからユースまで、東京ヴェルディの育成組織でプレーし、明治大学を経て2009年に東京ヴェルディ入り。レフティの大型FWとして活躍した。10年に柏レイソルに移籍し、11年にJ1優勝を経験。その後、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、再び東京Ⅴ、FC町田ゼルビア、ザスパクサツ群馬でプレーし、20年に現役を引退。Jリーグ通算300試合出場67得点。現役時代から海外サッカー通として知られ、メディア出演多数。21年から東京大学運動会ア式蹴球部の監督を務めている。

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