精度の高いキックでゴールを量産するサラー。マネする時のポイントは? (2ページ目)

  • 松岡健三郎●取材・文 text by Matsuoka Kenzaburo
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

◆サラーはなぜリバプールで爆発したのか。ドリブルの秘密とチームとの幸福な関係>>

 蹴る時に軸足とボールが離れすぎると、コントロールが難しくなります。軸足はボールの近めに踏み込んで、蹴り足の振りの力をボールによく伝えられるようにします。

 縦回転に近い、斜め回転のカーブをかけると、GKの前でワンバウンドしやすいボールになります。あとは軸足をいつもより前に踏み込んで蹴る。こうすると、蹴り足を大きく振り抜けなくなるので、低い弾道になってシュートを上にフカすことがなくなります。

 キックには人それぞれクセがあるので、マネしたいワザのポイントだけ抑えて、あとはたくさん蹴って自分に合うミートポイントや蹴り方を見つけるのがいいですね。たくさん蹴ると、自分のクセも見えて、調整もしやすくなります。

 僕は子どもの頃から、ボールをたくさん蹴って研究するのが大好きでした。足のどこに当てたらどこに飛ぶとか、どんな回転がかかるのかとか。小さい時から今もやっていることは変わらず、ずっとやっています。

 プロになってからは、うまくいったプレーを見ることもあります。実際にプレーした時のイメージと、映像で見た時では少しズレがある場合があって、いろんな発見ができます。

 それこそ今はスマートフォンですぐに動画撮影できますし、機種によってはスローモーションも撮れます。蹴って、見て、確認して、すぐに調整できるのですごく便利です。

 ぜひたくさんボールを蹴って、自分のキックの種類を増やしてください。

モハメド・サラー
Mohamed Salah/1992年6月15日生まれ。エジプト・バスユーン出身。アラブ・コントラクターズでプロキャリアをスタートし、12年にスイスのバーゼルへ移籍。ヨーロッパリーグとチャンピオンズリーグ(CL)での対戦で活躍したのがきっかけで、14年にチェルシー(イングランド)へ移籍したが結果を残せず、フィオレンティーナ(イタリア)へレンタル移籍。その後ローマ(イタリア)へ移籍して大ブレーク。17年にリバプールに移籍してイングランドに戻ってくると、ここでシーズン32ゴールを決め、プレミアリーグの年間MVPを獲得。翌シーズンにはCL優勝に大きく貢献した。プレミアリーグで2度の得点王に輝く得点力があり、スピードあるドリブルと、正確なキックで多くのゴールシーンを演出する。

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阿部翔平
あべ・しょうへい/1983年12月1日生まれ/神奈川県横浜市出身。市立船橋高校-筑波大学と進み、06年に名古屋グランパスへ入団。鋭い左足のキックを武器に左サイドバックのレギュラーとして活躍し、10年にはクラブ史上初のJ1優勝に大きく貢献した。その後、ヴァンフォーレ甲府、ジェフユナイテッド千葉などでプレー。J1通算317試合/3得点。現在は東京都1部リーグのSHIBUYA CITY FCに所属してプレーしている。キックに特化した自身のYouTubeチャンネル「阿部 翔平/Abe Shohei」も更新中。

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