ロナウジーニョのテクニックの発想を楽しむ。3Dプレーを石川直宏が解剖 (2ページ目)

  • 松岡健三郎●取材・文 text by Matsuoka Kenzaburo
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

◆ネイマールの派手な「見せワザ」のメリットとは。石川直宏が分析>>

 シュートの足ワザでも、「トーキックシュート」や「チップシュート」などバリエーションが豊富。「GKが触れなければボールはゴールに入る」という考え方を持てれば、別に強いシュートでなくてもいいので、プレーの選択肢は増えるわけです。

 バルセロナ時代のチャンピオンズリーグ・チェルシー戦のゴール(2005年3月8日、ラウンド16の第2戦)は記憶に残っている方も多いと思います。今回それを再現した「トーキックシュート」をやってみました。

 ノーステップで、ペナルティーエリアすぐ外からのシュート。僕には絶対にない発想ですし、しっかりボールをミートしないと飛ばないので難しかったです。ただ、GKはシュートのタイミングがわからないので、きっちりコースに飛べば入ると思います。

 見ていて楽しいプレーが多いロナウジーニョ。今回プレーしてみて、改めてすごさを感じました。紹介した10個の足ワザは比較的シンプルなモノなので、実際にマネできるモノが多いと思います。

 もしすぐにはマネできなくても、プレーのイメージを頭に入れて置くのは大切なことです。イメージを持っていると、練習や試合で咄嗟にできたりしますから。

ロナウジーニョ
Ronaldo de Assís Moreira/1980年3月21日生まれ。ブラジルの最南端に位置するリオグランデ・ド・スル州出身。98年にグレミオでプロデビュー。01年パリ・サンジェルマンへ移籍。03年からはバルセロナでプレーし多くのビッグタイトルを手にした。08年にミランへ移籍した後にブラジルとメキシコで数年プレーし、15年に現役を引退。ブラジル代表では02年日韓W杯の優勝メンバーでもある。圧倒的なテクニックから生み出されるファンタスティックなプレーで、敵味方問わず見る者を魅了しつづけたスーパースター。

石川直宏
いしかわ・なおひろ/1981年5月12日生まれ、神奈川県横須賀市出身。2000年に横浜F・マリノスユースからトップチームに昇格。02年にFC東京へ移籍。09年には自身初となるJリーグベストイレブンに選出。スピードとキレのあるドリブルから数多くのゴールシーンを演出した。日本代表は01年にU-20代表として、ワールドユースアルゼンチン大会に出場。04年はU-23代表としてアテネ五輪に出場。日本代表国際Aマッチ6試合出場。17年に現役を引退。J1通算289試合出場/49得点。引退後はFC東京クラブコミュニケーターに就任、テレビ解説者などでも活躍中。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る