ロナウジーニョのテクニックの発想を楽しむ。3Dプレーを石川直宏が解剖

  • 松岡健三郎●取材・文 text by Matsuoka Kenzaburo
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

スポルティーバ 足ワザ100連発
第4回:ロナウジーニョ(後編) 前編はこちら>>

世界トップレベルのサッカースターたちのテクニックを、元プロ選手が紹介・解説する。前回に引きつづき、自由自在のボールタッチが印象的だったロナウジーニョのテクニックを取り上げる。元日本代表の石川直宏氏に数々のプレーを実演してもらい、そのポイントを聞いた。

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曲芸的なプレーを見せながら、ボールを取られないロナウジーニョのテクニックを解剖 photo by Getty Images曲芸的なプレーを見せながら、ボールを取られないロナウジーニョのテクニックを解剖 photo by Getty Images↓【動画】ロナウジーニョのテクニック 実演&解説

 ロナウジーニョの得意ワザのなかで多いのが、縦横だけでなく、高さも使った「3D(三次元)」のプレーです。

 同じブラジルのネイマールもボールを浮かせたプレーは多いのですが、ネイマールが「柔」だとすると、ロナウジーニョは「剛」ですね。時には相手をブロックしながら、浮き球のプレーでも体勢を崩さずに、常にいい姿勢のまま仕掛ける強さがあります。

 また視野の広さにも注目したいところです。今回紹介した「浮き球ヒール」や「背面シャペウ」のように、相手を背負った状態でもうまくプレーできるのは、ボールタッチする前に、周囲の状況やスペースが見えているからですね。

 ボールを足元にピタッと止めるのではなく、あえて浮かせてから次のタッチでトリッキーなプレーを見せる。トラップの時にわざわざボールを浮かせる選手は多くないです。ただ、これは意外と使える考え方だと思います。

 ボールを浮かせると、相手は意表を突かれて意外と動きが止りやすい。うまく浮かせれば、相手の足が届かない(足を出せない)ところから、こちらのタイミングで次のボールタッチができます。この発想を持てると、プレーの幅はグッと広がります。プレーヤーの方は、「浮き球ヒール」はぜひ試合で使ってみてほしいですね。

「浮き球ヒール」で相手の意表を突くプレーもチャレンジしてみよう「浮き球ヒール」で相手の意表を突くプレーもチャレンジしてみよう ロナウジーニョは、いろいろなプレーに対しての、発想がすばらしいのだと思います。

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