逆境の中でも五輪をサポート。ANAがスポーツを応援し続ける理由とは

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支えて活きる。最先端「企業スポーツビジネス」

ANA社員の大本里佳。東京五輪の競泳400mリレーに出場するANA社員の大本里佳。東京五輪の競泳400mリレーに出場する
 今年4月、ANAホールディングスは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で利用者が大幅に落ち込み、昨年度のグループ全体で、過去最大の4046億円の赤字になったと発表した。傘下の「ANA」の利用者が前の年度と比べて国際線で約95%、国内線で約70%減ったことが大きな要因だった。

 このような状況下だが、ANAはスポーツへの支援を継続している。所属のアスリートにはフィギュアスケートの羽生結弦、スポンサーシップ選手にはテニスの大坂なおみ、ゴルフの池田勇太、石川遼、車いすテニスの国枝慎吾がいる。また、水泳、卓球、スキー、スケート、バドミントン、バレーボール、身体障がい者水泳、知的障がい者水泳、パラ卓球、ブラインドサッカーの競技団体へのサポートと、その範囲は広い。

 さらに東京オリンピック、パラリンピックのオフィシャルパートナーにも名を連ねている。目前に迫ったこの国際的ビッグイベントをサポートした経緯について、ANAのスポーツ担当、永尾昌也氏はこう語る。

「今後の東京そして日本の発展にとって、東京2020大会を成功させたいという同じ思いをもつスポンサー企業や関連団体とともに活動することは大きな意味があるとの観点で、2015年、ANAは東京2020大会のオフィシャルエアラインパートナーになりました。また、多くの外国の方々に日本に興味を持っていただいて、将来的にも日本にお越しいただけるような取り組みをしていきたいと考えていました。さらに、3つの活動テーマを設け活動してきました。『ユニバーサル』『地域活性・グローバル』『スポーツと健康』です。これらのテーマを掲げた活動を通して、新しい価値を生み出すとともに、ANAのプレゼンス向上にもつながると考えていました」

 ANAとして狙いを持って協賛を行なってきたが、新型コロナウイルスの影響により、大会の1年延期を余儀なくされ、さらに航空業界は未曽有の大打撃を受けてしまう。そんな中、大会延期に伴う追加費用が総額220億円発生すると言われ、その費用をスポンサー企業も負担することになった。それでもANAはサポートの継続を決断した。

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