つば九郎の人生相談「特技のない自分に価値を感じず、自己肯定感が下がります」

  • 長谷川晶一●話し相手 text by Hasegawa Shoichi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

第56回
自由奔放ながら多くのファンから愛されている東京ヤクルトスワローズのマスコット、つば九郎が読者の悩みに答える人生相談。様々な悩みに毒舌混じりのつば九郎節全開で、時にはズバッと時にはゆる~く答えていきます。

【お悩み】
自分には特技がありません。職場の周りの人は運動部出身で体力があったり、外国語が話せたり何かしらの特技を持っています。部署内で何も特技がないのは私だけです。運動は苦手、絵を描くのも苦手、音楽も苦手です。他の人は唯一無二の存在だなと感じますが、自分は代わりがいくらでもいる、しょうもない人材です。何もできない自分に価値を感じず、自己肯定感が下がるばかりです。(ぽぽ・奈良県)

だからなんだよ!! そうそう、そんなことないよ、
いいところがあるよ~ と、いってもらいたいんでしょ~!!

――つば九郎にしては、かなり強めの回答ですね。

つば九郎 たぶん、「ぽぽ」さんは、ここでぐちをはきだすことによって、みんなになぐさめてほしいんじゃないのかな?

――ご自分では「自分に価値を感じない」とか「自己肯定感が下がるばかり」と言っています。無力感に苛まれて、必要以上に「周りはすごいのに、私なんて......」と卑下している印象はありますね。

つば九郎 しつもんをよくよむと、なやみのそうだんじゃなくて、じぶんのおもいをくちにしているだけだからね。

――確かにそうですね。「どううればいいですか?」ではなく、自分の置かれている境遇や心境を述べていますね。

つば九郎 じぶんのことをぜんひていしているだけでしょ。だから、「そんなことないよ」「あなたにもいいところはあるよ」ということばをもとめているのなら、おのぞみどおりに、「だいじょうぶだよ」といってあげます。

――あえて、突き放す言葉をかけて奮起を促す。そんな深い意図、つば九郎の優しさが感じられる回答です。

つば九郎 そんなにふかいいみはないけど、ほめてほしいのなら、いくらでもほめます。「ぽぽ」さんは、ならけんにおすまいですか。ならけん、いいところですね~。

――奈良県を褒めますか(笑)。

つば九郎 このぶんめんからでは、どこをほめていいのかわからないから(笑)。そもそも、おとなになってうんどう、え、おんがくがとくいかどうかなんて、ぜんぜんかんけいないんだから、そんなことでおちこむひつようはありません! つばくろうは、ことばもしゃべれないし、かんじも、かたかなもかけません。でも、じここうていかんはたかいです!

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