就職人気企業ランキングを投資教育を学ぶ高校野球部生と考える「企業に大事なのは成長するかどうか」 (2ページ目)

  • 鈴木雅光●構成 text by Suzuki Masamitsu
  • はまのゆか●絵 illustration by Hamano Yuka

【人気ランキングは有名企業ばかり】
 
奥野「鈴木君も由紀さんも、大学に入って就職するなら、あと数年もすると社会人になるってことだよね。

 たとえば2024年3月に大学を卒業する人たちの就活スケジュール表を見ると、大学3年生の夏くらいから、就職を視野に入れた活動が始まっているんだ。実際に会社に行って職場体験をするインターンシップってやつだね。そして、早い会社だと大学3年の秋口くらいから、インターンシップに参加した学生を対象にして内定を出すところもあるって話を聞いたことがあるよ。

 そして大学4年になると、春からもう就活一色だね。4月から経団連加盟の企業を中心にエントリーシートの提出や会社説明会が始まり、なかには4月後半くらいから内々定、内定を出すところもあるそうだ。そして10月に内定式が行なわれ、翌年4月に入社。こんな感じだから、大学4年間のうち半分くらいは、なんだかんだ言っても就職が頭にチラついているってことになるんだろうね。

 この日本にはたくさんの会社がある。総務省と経済産業省が公表している『経済センサス-活動調査』というデータによると、2021年6月時点の企業数は367万4000社だからね。

 ただ、就職活動をするにあたって、これだけの会社をすべて調べるわけにはいかないから、学生が就職を希望する先は、どうしても、どこかで会社名を聞いたことがあるような、大企業が中心になってしまう。

 たとえば、この就職企業人気ランキングにしても、多くの企業がBtoC、つまり消費者向けに製品やサービスを提供しているところだよね。確かに、いずれもピカピカの有名企業なんだけど、別な見方をすると、学生でも知っているような会社、カッコいいと思っているような会社ばかりが、上位にランキングされる傾向があるのも事実なんだ」

鈴木「有名な会社に入ったほうが安心できるんじゃないですか。たぶん親も喜ぶと思うけど......」
由紀「でも、時代によって人気企業って変わっていくのかしら」

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