恵俊彰が書いた早稲田大学大学院での4万7000字の論文「情報番組の新たな可能性に気づいた」 (2ページ目)

  • 池田鉄平●取材・文 text by Ikeda Teppei
  • 川野結李歌●撮影 photo by Kawano Yurika

――修士論文はいつ頃提出されたのですか?

 最終提出が2月15日でした。4万7000字ぐらい書いて、図が47、表が7つくらい入っています。一次提出が1月12日だったので、昨年は12月30日までゼミの教室で何人かで集まってやっていました。最終的な詰めというか、ギリギリまで調べてデータにしたかったので。

「ひるおび」は昨年の放送が12月28日までだったから、フルで13年間を調べましたよ。ギリギリまで何回も書き直して、削って足して構成を考えたりして、提出しました。

 提出後、公開審査会というのもあったんです。論文をみんなが公開で審査するんですね。自分が書いたのとは別に30枚ぐらいのパワーポイントでプレゼンタイムを15分。そして15分、質問を受ける時間があって。それを早稲田の3号館の300人ぐらい入る場所でOBもみんな来て、いろんな質問をしたりするんですよ。僕には日本テレビの方、フジテレビの方が質問してきたりとか。こんなつながりがあるんだっていうのをあとになって知りました。

――その修士論文は、恵さんだけにしかできない研究ですね。

 僕もそうですし、みんなそうだったと思います。福西くんにしかできない、五郎丸さん、川口さんにしかできない研究をやっていた。

 先生が論文に対して、すごくいいことをおっしゃってくれて。「自分のために研究をしてください。この先の人生に必ずプラスになります。自分の人生を豊かにしてください。それで、世の中が豊かになればいいですね」と。

 まわりは本当に超一流の方だったんで、個人的なことが世の中的なことになるんだろうなと思いましたけどね。僕も自分のために研究してきましたが、今後の情報番組を作るうえでも大切な気づきがたくさんありました。

――とても充実した大学院での生活だったと思いますが、この1年を一言で振り返るなら、どんな言葉が思い浮かびますか?

 本当に「動」ですね。積極的だったりアクティブだったり、"動く"っていう言葉が浮かびます。この1年間は、学生証をずっと手元に持っていましたし、 自分のことを父親であるとか芸能人であるとか社会人であるとかっていう気持ちより先に、まず学生だと思っていたんですよ。学生気分って言ったら変ですけど。

 ゼミ生同士のLINEグループもあって、いろんなことを教えてくれるんですよ。たとえば論文を作るにあたって、ワードで目次や図表を作って、そこにカーソルを合わせるとジャンプして、そのページに飛ぶようにする方法を教えてくれたりとか。ほかにも細かいことでわからないことがあって夜中にLINEで聞いたりすると、ぱっと反応があったりして。

 そういうのも含めて、学生な感じでしたね。仕事をしているうえですごく新鮮な1年というか。今やそれが当たり前の生活になっているので、なくなるのが寂しいぐらいです。

――今後、早稲田びいきになるのでしょうか?

 駅伝やラグビーも応援しちゃうんだろうなっていう感じはすごくしますね(笑)

【Profile】
恵俊彰
(めぐみ・としあき)
1964年12月21日、鹿児島県生まれ。『ひるおび』『ワールド極限ミステリー』(ともにTBS)でのMCのほか、『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)にも出演中。2022年4月に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学。2023年3月26日に修了式を迎えた。

プロフィール

  • 池田鉄平

    池田鉄平 (いけだ・てっぺい)

    ライター・編集者。国内・外資系のスポーツメーカー勤務を経て、メディア活動や地方創生のPRを担当。音楽一家で育ち、過去にアーティストとしてインディーズデビューも経験。スポーツ、音楽、エンタメを中心に取材活動を行なっている。

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