3年目のDリーグは本当に盛り上がっているのか。創設者は「チケット、グッズの売り上げも伸びている」 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 石川高央●撮影 photo by Ishikawa Takao

 そしてその戦術・戦略が活きるチーム対抗戦だけでなく、より個々のダンススキルに焦点をあてたバトルも用意。ラウンド6では通常のチーム対チームの対戦方式ではなく、「サイファーラウンド」と銘打ち、各チームの代表者(1~3人)が円を作るようにして並び、順番にその中心で持ち前のスキルを披露した。

 Dリーグでは、これらの戦術・戦略、スキルの部分を含め、ダンスの深淵をより広く知ってもらうために、5人いるジャッジが対戦カードごとに、どこで優劣が生まれていたかを言語化し、それを動画で公開している。これはこれまで感覚で見ていたファンにとって、より深くダンスを知ることができる絶好の素材だ。同氏はその狙いを「万人には届かなくても、千人のコアファンに届けて、マニアを広げていきたい」と語っている。

 さらに新たな試みとして、ダンス映像や舞台裏映像、3DバトルのARなどをNFTとして販売。「まずはジャプを打ってみた」というように実験的な意味合いが強いが、次々に新しいアイデアを試していくところが、発展途上のDリーグらしい。

【世界進出にも手ごたえ】

 そして今後についても、さらに大きな構想を抱いている。

「僕たちが描いているのは、Dリーグを輸出して、世界中にDリーグが発展していくことなんです。それができれば、新しい産業構造になっていくと思いますので、アジア圏のプロリーグのチャンピオンズリーグ、ヨーロッパ圏でのDリーグやチャンピオンズリーグも可能になっていくでしょう」

 日本発のものを海外に展開していくことは、言語や商慣習をはじめ相当なハードルが存在するが、同氏はダンスの持つポテンシャルがあれば、それは十分に可能だと考えている。

「ダンスの持つ特徴として、ノンバーバル(非言語)であり、ファッションと音楽が付随していることが挙げられます。かっこいいダンスを見れば、そのファッションをまねたくなるだろうし、音楽にも興味が湧き、何度も聞きたくなるはずです。まねたくなる、見たくなる、聞きたくなるという側面は、他のプロスポーツよりも特筆すべき点が多いんです。

 それに今の世界で重要視されている『ジェンダー平等の実現』の側面に立っても、ダンスは男女だけでなくLGBTQ+も含めて楽しめますし、実際にDリーグには、混成チームがいくつもあります。これは他にない魅力で、これからの時代にすごくあっていると思っています」

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