【水泳】見えてきた世界記録。渡部香生子の平泳ぎが確変中!

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 6月19日から東京の辰巳国際水泳場で開催されたジャパンオープン2014。最終日の22日、女子100mバタフライA決勝で8位に終わった渡部香生子は、「メッチャきつかったです」と言って笑みを浮かべた。

着実に成長を遂げて結果を残してきている渡部香生子着実に成長を遂げて結果を残してきている渡部香生子 渡部がきつかったと話した理由は、6月7日から15日まで、モナコとカネ(フランス)、バルセロナ(スペイン)で開催されたヨーロッパGP3連戦に出場した直後だったからだ。

 100m平泳ぎで2勝して200m平泳ぎは1位と2位。200m個人メドレーも2位2回と、ヨーロッパGP3連戦の総合ランキングで3位になって帰国したばかりだった渡部。中1日というハードスケジュールで臨んだジャパンオープンでは、専門の平泳ぎだけでなく、自由形と背泳ぎとバタフライを含めた4種目の100mに出場し、背泳ぎの以外はすべてA決勝進出という結果を出した。

 まさに、個人メドレーを4日間に分けて泳いだような試合。指導する竹村吉昭コーチは「時差ボケはあったみたいですよ、眠いと言っていましたから。帰国した日は夜9時半から朝の8時半まで眠ったそうです」と笑う。

 だが渡部は今大会後、「疲れはそんなに無かったですね。今回のレースはしっかりと(今後の)200m個人メドレーにつながると思うから、いいトレーニングになった。かなり充実した大会になったと思います」と話した。

 そんな感想を口にする渡部にとって、大きな自信になったのが初日の100m平泳ぎだった。

 彼女の中で最も自信があるのが200m平泳ぎで次が200m個人メドレー。その次の3番目と位置づける100m平泳ぎだが、今年4月の日本選手権を1分06秒32(高校新)で初制覇したのに続き、今大会、第一人者の鈴木聡美(ロンドン五輪200mで銀・100mで銅メダリスト)を抑えて、1分05秒88の日本新記録を叩き出したからだ。

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