「駅伝に詳しすぎるアイドル」西村菜那子が語る大学のルーキー 青学大は「こんなに集まっていいのか」 (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

【青学大は5000m13分台が6人も新加入】

 箱根は節目の第100回を終えたが、新時代を創造していく「ルーキー」はどこが強いのか。西村さんは、箱根王者・青学大のルーキーたちに熱視線を送っている。

「『こんなに集まっていいのか』というぐらい優秀な選手がそろいましたね。私と同学年の、東海大の黄金世代(現DeNAの館澤亨次ら2016年入学の選手たち)を思い出すような面々です」

 その言葉どおり、5000m13分台が6人という超豪華メンバーだ。なかでも、インターハイ日本人トップ&国体少年A優勝の折田壮太(須磨学園高出身)は高校歴代2位の13分28秒78、国体少年A3位の飯田翔大(出水中央高出身)は同4位の13分34秒20というタイムを持つ。ともに、近藤幸太郎(現・SGホールディングス)が保持している5000mの青学大記録(13分34秒88)を上回っている。出雲駅伝や全日本大学駅伝(の前半区間)では即戦力と言えるレベルだ。

「折田選手は昨年12月の全国高校駅伝1区で区間賞を獲得しました。インタビューさせていただいたことがあるんですけど、自分の気持ちを言語化するのが上手だなと感じました。原晋監督は『表現力がある子が欲しい』とも話しているので、青学大にぴったりな選手だなと思っています。箱根駅伝は1区を走りたいそうですが、2区や3区でも活躍できる選手ではないでしょうか。

 飯田選手は全国高校駅伝の出場はありませんが、124チームが参加した昨年の春の高校伊那駅伝では1区で区間賞。集団走が得意な選手だと思うので、大学駅伝でも1区で活躍してくれるかなと思っています」

 青学大の13分台ランナーでは、折田と同じ須磨学園高出身の福冨翔にも注目しているという。

「福冨選手は高校時代、チームメイトだった折田選手の陰に隠れていましたが、全国高校駅伝は4区で区間4位。春の高校伊那駅伝も下り基調の1区を区間4位と好走しています。箱根駅伝は6区にチャレンジしたいそうなので、小野田勇次選手(現・中央発條)のようになってくれたらうれしいですね」

 ほかにも若林宏樹(4年)の弟・良樹(洛南高出身)、黒田朝日(3年)の弟・然(玉野光南高出身)、さらに駿河台大・徳本一善監督の息子・陽(東農大二高出身)と期待の "サラブレッド"もいる。

「青学大の兄弟選手といえば中村兄弟(祐紀/住友電工・友哉/大阪ガス)が有名ですが、ふたりがタスキをつなぐことはありませんでした。もしかしたら兄弟でのタスキリレーが見られるかもしれません。それも楽しみのひとつです」

 期待のルーキーたちは早くも活躍した。4月6日の絆記録会5000mで、安島莉玖(大垣日大高出身)が13分48秒45、佐藤愛斗(小林高出身)が13分54秒93の自己ベストを叩き出している。箱根の大会新Vメンバーが7人残っている青学大。"スーパールーキーズ"の加入で、再び黄金時代を築いていくのか。

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