箱根駅伝で打倒駒澤大に燃える有力校「駒澤に背中を見せる布陣」でキーマンの配置は? (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun

【青学大学】
1区 荒巻朋熙(2年)、2区 平松享祐(1年)、3区 小原響(4年)、4区 佐藤一世(4年)、5区 若林宏樹(3年)、6区 野村昭夢(3年)、7区 皆渡星七(2年)、8区 田中悠登(3年)、9区 倉本玄太(4年)、10区 宇田川瞬矢(2年)

 補欠には、松並昂勢(4年)、山内健登(4年)、太田蒼生(3年)、白石光星(3年)、黒田朝日(2年)、塩出翔太(2年)がいる。原監督がキーマンに挙げていたのは、佐藤一世と黒田だ。「佐藤は4年生になって初めて1年間、トレーニングをきちんと進めてきたので、期待しています。黒田は、箱根は大事なんですけど、箱根の山上りだけで終わってほしくない。彼には世界でも戦ってほしい』と語った。青学大も往路は駒澤大に一歩も引かない編成で勝負し、復路での決着をイメージしているようだ。

 現在、2冠を達成している駒澤大の強さについて、中央大の藤原監督が指摘していたのは、佐藤圭汰の存在だった。
 
「出雲、全日本もそうですけど、佐藤君がいることで非常にチームが安定していたなという印象です。いずれも2区に佐藤君がいたことが、駒澤大学が強さを発揮できた要因だと思っています」

 國學院大の前田康弘監督も同意見だ。
 
「ここまでの駅伝を見ていると佐藤君が(ゲーム)チェンジャーなんです。そこで着火して逃げるというのが、駒澤大のひとつの形になっています」

 ふたりの言葉にあるように佐藤は出雲と全日本で2区を駆け、ともに区間賞で一気にリードを広げ、ほぼゲームを決める役割を果たしていた。今回の箱根も2区の鈴木とのセットで後続との差を広げる、あるいは差を詰めてひっくり返す重要な役割を担っている。
 
 藤原監督は、走力と精神的な安心感をチームに与える佐藤の影響力の大きさを指摘していたが、これまでどおりの働きを考えると3区を含む3区間がひとつの勝負ポイントともいえる。
 
 実際、駒澤大を始め、各チームとも主力をずらりと並べてきた。

駒澤大 1区 白鳥、2区 鈴木、3区 佐藤
青学大 1区 荒巻、2区 平松、3区 小原 ※2区は黒田、3区は太田の可能性大
中央大 1区 溜池、2区 吉居、3区 中野

 こうして見ると、チームの意地とプライドをぶつけ合うガチンコ対決で、3チームともいかにこの3区間に力を入れているのかが見て取れる。特に青学大と中央大は、ここで駒澤大に先行されるわけにはいかないという姿勢が表われているかなり重厚なオーダーだ。
 
 ただ、この3チームが面白いのは、この3区間に重きを置きつつも、実は復路にも相当に厚い編成を敷いているということだ。

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