箱根駅伝のシード校の戦力分析 駒澤大に迫り上位をうかがう戦力充実校や「台風の目」も (3ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

【順天堂大学】

出雲と全日本は苦戦もエース三浦龍司の快走で波に乗りたい

 エース三浦龍司(4年)はメイン種目の3000m障害で日本記録を塗り替え、ブダペスト世界選手権で6位入賞。5000m高校記録保持者の吉岡大翔(1年)が入学するも、学生駅伝は不発に終わっている。出雲は三浦が欠場した影響もあって10位。全日本は2区・三浦で8位に浮上したが、その後は苦しいレースが続き、11位に終わっている。

 しかし、12月3日の熊本甲佐10マイルロードレースで、浅井皓貴(3年)が46分05秒の日本人学生最高タイムで優勝するなど、チームは上昇ムードだ。浅井は前回の箱根で7区を区間3位と好走しているが、今回は往路の主要区間で力を発揮するだろう。

 2年連続で"花の2区"を担ってきた三浦、3年連続で4区を務めている石井一希(4年)、ルーキー吉岡も往路の候補か。選手層は厚くないが、三浦のスピードと好調・浅井を軸に上位戦線に切り込みたい。

【早稲田大学】

各学年にエース級が揃う戦力で「5位以内」を目指す

 前回6位のメンバーが8人残っており、楽しみな1年生も加入。出雲で6位に入ったが、全日本は10位に終わり、就任2年目の花田勝彦駅伝監督は危機感を抱いている。ただ、全日本は8区が区間19位に沈んだ影響が大きかった。1区・間瀬田純平(2年)が区間2位、2区・山口智規(2年)が区間4位と序盤は好スタートを切っている。

 山口は箱根出場校が大挙して出場した上尾ハーフで、大迫傑(現・Nike)が持つ早大記録を更新する1時間01分16秒で日本人トップ。箱根では1~3区のどこかに起用されそうだ。1万m27分台の石塚陽士(3年)は前回2区(区間14位)を担当。5区は前回6位と好走した伊藤大志(3年)の起用が濃厚だ。6区にも前回3位の北村光(4年)が控えている。

 関東インカレの1部1万mで6位に食い込んだ工藤慎作、出雲でアンカーを区間6位と好走した長屋匡起ら1年生も期待十分。選手層は薄いが、各学年に好選手が揃う総合力でトップ5を目指す。

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