箱根駅伝のシード校の戦力分析 駒澤大に迫り上位をうかがう戦力充実校や「台風の目」も (2ページ目)

  • 酒井政人●文 text by Sakai Masato

【青山学院大学】

出雲5位、全日本2位から箱根で優勝へ。2019年度の再現を目指す

 前回3位のメンバーが7人卒業するも、今季も存在感を見せている。出雲は5位に終わったが、全日本は國學院大、中大とのアンカー決戦を田中悠登(3年)が制して、準優勝に輝いた。

 今季は黒田朝日(2年)の成長が大きい。出雲2区は駒大・佐藤と同タイムで区間賞、全日本2区は従来の区間記録を上回るなど、「エース」と呼べる存在に。箱根は2区 or 5区での起用が有力だ。

 5区は前々回で好走した若林宏樹(3年)も候補。6区は山内健登(4年)と野村昭夢(3年)が候補に挙がっており、"山"はかなり強力だ。3区と4区で快走している太田蒼生(3年)も往路の軸となる選手。佐藤一世(4年)はMARCH対抗戦1万mで28分11秒00の自己新をマークするなど調子を上げてきた。選手層は厚いだけに、2区終了時で駒大に大きく引き離されなければ、2019年度(出雲5位、全日本2位、箱根1位)の再現ができるかもしれない。

【國學院大學】

伊地知、平林、山本の"3本柱"を軸に「てっぺん」にチャレンジ

 夏は主力選手の足並みが揃わず、出雲は4位と振るわなかった。全日本は2区で10位に転落するも、4区・高山豪起(2年)が3人抜きを見せ、7区・平林清澄(3年)が区間賞。最後は主将・伊地知賢造(4年)が中大をかわして目標の「表彰台」を確保。2位の青学大と4秒差の3位に入った。

 箱根は、前回4位メンバーが7人残っている。平林は2区で区間賞争いできる実力があり、山本歩夢(3年)は1区もしくは3区が濃厚。前回1区を務めた青木瑠郁(2年)と、出雲1区と全日本3区を区間3位と好走した上原琉翔(2年)も往路の候補だ。

"山"は1年生に託すプランもあるが、区間上位で戦える計算が立っているという。前回5区を務めた伊地知は平地にコンバート予定。勝負どころで起用されることになりそうだ。5人がエントリーされた1年生にも楽しみな選手が多く、チームは第101回大会の「優勝」をにらみながら、今回も伊地知が目標に掲げ続けてきた「てっぺん」に挑戦する。

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