「このままじゃ3位以内にもいけない」箱根駅伝優勝を目指す駒澤大・鈴木芽吹主将が抱えていた不安「本当にひどかったので」ミーティングを開いた (4ページ目)

  • 藤井みさ●取材・文 text by Fujii Misa
  • 北川直樹●撮影 photo by Kitagawa Naoki

【「どうやったら上がってくるんだろう」主将としての不安】

 昨年は夏合宿までは走れている選手が少なく、「本当に三冠を目指せるのか」と不安になったところから、秋に調子を上げてきて三冠を達成。今年のチームはどうか。

「完全に似たような感じでした。主力が全然練習をできていませんでした。去年のことを考えるとまだ巻き返せるという気持ちはあったんですが、いざ自分がキャプテンの立場になると『どうやったら上がってくるんだろう』と不安ではありました」

 夏は、世界陸上に臨むためスイスの合宿へと向かった田澤に佐藤も帯同した。篠原も8月のワールドユニバーシティーゲームズのハーフマラソンに出場したダメージもあり、調整段階。Sチームとしては鈴木ひとりとなったため、主将としてみんなを引っ張るという意味で、鈴木はAチームで夏合宿に取り組んだ。しかし、主力にケガが相次ぎ、1次合宿ではAチームでも走れているのは鈴木、庭瀬俊輝(3年)、伊藤蒼唯(2年)の3人のみという状態だった。

「本当にひどかったので一回みんなをミーティングで集めて、『このままじゃ駅伝で3位以内にもいけないから、危機感を持ってやって』と声がけしました」

 そんな意識づけもあってか、徐々に練習の消化率も上がり、「このままいけばなんとか間に合うかな」というところまでチームを上げてこられた。9月の選抜合宿には主力が戻り、チームとしていい練習ができているなかで駅伝シーズンを迎えられた。

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