箱根駅伝優勝には「2区は田澤じゃないといけないと感じていた」。駒澤大・大八木弘明監督が振り返る大学駅伝3冠への道 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kishimoto Tsutomu

 結果は2位の中大に総合タイムで1分42秒差をつけた、往路復路とも1位の完全優勝。その戦いを振り返り、大八木監督は「選手たちが本気だったということ」と言う。

「僕はよく、子供たちには"本気"、"本腰"、"本物"とよく言っているのですが、選手たちは本気でやりたいと思い、本腰を入れて取り組んでくれた。そして最後にはみんなが本物になったというのを僕に教えてくれたというか、プレゼントをしてくれたということです。

 これまでに3冠を狙った過去の2回を振り返ってみれば、箱根の時にはちょっとイメージが出てきていなかったですね。『箱根に勝てば3冠だな』という程度の感覚だったので、『絶対に3冠を獲ろう』というのは前の2回は、あまりなかったかもしれません。でも今回は選手たちから言い出してきたことだったし、彼らもチーム全体の力がついているからこそそう言い出す自信があったと思うので、僕のほうにもその思いがビシビシ伝わってきていました。

 それに加えて、夏には4年生の3人には今年度限りで監督を退くとも伝えていたので、ほかの選手たちも薄々は知っていたと思います。だから彼らが『監督に恩返しをしたいんだ』と言ってくれたのは本当にうれしかったですね。02年から05年まで4連覇した時のチームも本当に強かったけど、相手も本当に強くなっているなか、有言実行で3冠を獲得した今回は最高のチームだったと思います」

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