明治大は箱根駅伝予選会で2位通過も喜べず。監督がチームの誤算と手応えを明かした (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

「富田は3月の学生ハーフで、惜しいところでワールドユニバーシティゲームズの代表を逃す悔しい思いをしたので、日本人トップに対する思いは一番強かったと思います。児玉も箱根の2区が、実家の近くなのでどうしても走りたいと言うので、『2区を取るんだったらチームトップで走らないとないぞ』と話していました。そのふたりが意地を見せたと思います。

 想定外だったのは前回の箱根で9区を走った加藤大誠(4年)で、夏の練習の出来を見れば日本人トップ争いもできるかなと思っていましたが、後半に落ちてしまったので課題が残る走りでした。ただ、下のグループでも新谷紘ノ介(2年)など、大きいレースが初めての選手が頑張ったので、チームの底上げも少しはできているかと思います」

 チームの現状をそう評価する山本監督は、「昨年は予選会トップ通過で少しおごりもあったかなという感じもありましたが、今年は2位でも悔しいので、チームとしてはプラスになったかなと思います」とも言う。

 その思いは小沢主将も同じだ。

「これまでの明治は派手な活躍をする選手が多かったですが、今年は少しずつコツコツやっていくタイプが増えてきたと思う。去年はチームとしても『いけるぞ』という感覚が大きかったですが、今年はチームとしても課題が残る予選会になってしまい、『このままだとシード権を取れない』という危機感が大きくなったと思うので、これからの2カ月半を悔いが残らないようにしていきたい」

 すこし誤算となる予選会にはなってしまったが、逆に選手たちの気持ちは引き締まったようだ。次のレースは11月6日の全日本大学駅伝。そこでしっかり8位以内に入ってシード権を獲得し、勢いをつけるのが今の明大の目標になった。

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