明治大は箱根駅伝予選会で2位通過も喜べず。監督がチームの誤算と手応えを明かした (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

 2020年の箱根駅伝では6位という結果を残し、シード権を獲得。全日本大学駅伝で3位など、2021年の箱根駅伝でも上位を期待されたが、11位でシード権を逃した。そして予選会1位で臨んだ前回も、上位を狙ったものの14位と不本意な結果が続いた。今年は主将の小沢大輝(4年)などが中心になって生活の規律を重視し、朝練習を週2回はアップダウンの多いコースでやるなど、個々の選手が駅伝力をつけることを意識してきた。

 その手応えを感じていたからこそ今回の予選会は、その先も頭に入れて昨年までのようにグループごとに分けた集団走で記録を安定させるのではなく、個々の選手たちに設定記録を伝えるだけで、それぞれが思うように走ることを指示した。

「やっぱり本番では、自分が今どういう状態で、どのくらいの走りができているかを考えないとダメなので、そこを意識させようとしました。集団走を指示するとどうしても『集団の力を借りて』みたいになるので、個人でしっかり行かせたいと。僕がそういう決断をできたのも、選手たちの成長があったと思うし、それをきっかけに成長できる選手たちだという信頼もあったからです。今年は4年生を中心にして生活の規律作りなどもしっかりやっているので、結果を出せればそれがうちのチームカラーに定着しそうな雰囲気もあります」(山本監督)

 チーム上位2名は、1時間02分39秒で日本人3位の10位になった富田に続き、4秒差で11位の児玉真輝(3年)だった。

 富田は「日本人トップ集団で勝負したいと思っていましたが、序盤のペースが速くなかったので、(さらに前の)先頭集団で自分の走りやすいペースでいこうと切り替えました。監督からは集団を引っ張る必要はないとレース前に言われていましたが、自分は引っ張り続けることにも自信を持っていたので、日本人トップ集団になった時も『自分からいったほうが走りやすい』と思い、積極的にいきました。最後のゴールの手前で早稲田大の井川龍人選手にさされたのは詰めの甘さが出たと思いますが、レース展開を考えれば納得できる走りができました」と、地力で動いた走りを評価する。

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