箱根駅伝シード落ちからの復活へ。早稲田の主力が求める意識の変化「監督が代わって一時的によくなっても、強くなっていかない」 (3ページ目)
夏合宿を終え、チームは今、10月15日に行なわれる箱根駅伝の予選会に向けて調整中だ。トラックシーズンを含めてのここまでの手応えをどう感じているのだろうか。
伊藤「トラックは、5000mでようやく高校時代の記録を更新(のべおかGGN:13分35秒70)できて、ホッとしました(笑)。それまでは結構イヤでしたね。僕は、高校の頃にポンポンと記録を更新してきたので、その成功体験が逆に足かせになり、昨年更新できなかったことで足踏みしたなって思ってしまったんです。佐久長聖の高見澤(勝)先生からも『これが生涯ベストにならないように』って言われていたんですが、本当にそうなりそうだったので大丈夫かなって不安がずっとありました。ただ、自己ベストは更新できたけど、関東インカレは全然ダメでしたし(5000m16位)、トータルで満足いく感じではなかったです」
石塚「僕は、トラックシーズンは60点です。5000mは13分48秒81(ホクレン士別大会)が出たけど、本音をいえば13分30秒台でいきたかったですし、関東インカレでは12位でさっぱりでした。1万mでは28分30秒台は出たけど、20秒台を出したかった。最低ラインはクリアできているけど、全体的にもう一歩という感じでした」
伊藤「授業が大変だから、なかなか練習できないのも大きいよね」
石塚「そう(苦笑)。月曜から水曜までは夕方までびっしり授業ですし、寮から(キャンパスのある)高田馬場まで通学時間が少しかかります。そういうのもあって、最低限の練習しかしていないんです。だから、トラックシーズンは、夏まで何とかつなぐことしか考えられなくて、それがそのまま結果にも反映されているのかなと思います。ただ、夏休みは陸上に集中できているのでだいぶ取り戻してきていますし、これからさらに調子をあげていきたいです」
──これから箱根予選会、そして全日本大学駅伝(11月6日開催)、箱根駅伝(来年1月2、3日開催)と続きます。
伊藤「箱根予選会は通るのは当たり前だと思っていますし、そのうえでトップ通過でいけるかどうか。そこまでこだわっていきたいですね。個人的には、もちろん走る以上はひと桁(の順位)を狙っていきたいです。箱根については、山はどうなんですかね......(苦笑)。5区を走るのであれば前回のような結果(区間12位)に終わりたくないですし、吉田(響・東海大)君にも負けたくない。区間賞を獲りたいと思っています」
石塚「予選会は、大志と同じくひと桁の順位でいきたいですし、自分がひと桁に入ればチームにも貢献できると思うので。1年生ではないですから主力として走る以上はしっかりと結果を残したいですね。箱根は、どこを走るのかわからないですが、僕も区間賞を獲りたいです」
──箱根駅伝は強豪校の面子をみてもかなり強そうですね。
伊藤「正直、青学大や駒澤大とかとは、まだ差があると思います。でも、何が起こるのかわからないのが駅伝なので、ブレーキせずに戦えるといい勝負ができると思います」
石塚「箱根は、大志の言うとおり、ブレーキがないことが前提になりますが、やっぱり昨年のような経験はもうしたくないのでそこは注意しつつ、個々で自分がやるんだという意識が大事。やっぱり、出る以上は勝ちたいですね」
早稲田大の立て直しは、そう簡単ではない。花田監督就任とともにチーム改革がもう始まっているが、伊藤と石塚が最上級生になった時、どんなふうにチームの景色は変わっているのだろうか。ふたりのさまざまな取り組みが浸透し、チーム改革が大きく進行していたら......前を行く青学大や駒澤大の尻尾をとらえるぐらいの強さを身につけ、勝負できるチームになっているはずだ。
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