車いすテニス界の新星は、国枝慎吾に憧れ「元気づけられる人」を目指す (4ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 東京パラリンピックの出場枠は、日本女子の場合は最大4枠となっている。つまり、国内の代表争いに勝つには、ランキング上位を死守することが重要なミッションになる。「世界ランキングで10番台を狙わないと、国内2番手になるのも難しい。しっかり練習しないと」と、待ち構える険しい道のりに覚悟を決める。

 レフティーの船水は、相手から逃げるように決まるスライスサーブが得意だ。現在はそこからフォアハンドでウィナーを取れるような攻撃的なテニスの構築に力を注ぐ。オフコートでもTTCのトレーニングの一環として、体幹と脚の筋力アップを図っており、磨きがかかった鋭いショットは船水の大きな武器になるはずだ。

 2年後、20歳になる歳に迎える東京パラリンピック。「もし出場できたら、自分の納得いくプレーをひとつでも多くやりたい」と意気込みを語る。

「自分が車いすテニスを始めたのも、国枝選手の迫力あるプレーに魅了されたから。私も自分のプレーを見た人に"スポーツをやってみようかな"って元気を与えられる存在に近づけたら、すごく嬉しいです。そのためには勝たないと注目されないですし、頑張りたいですね」

 笑顔の内側に熱い闘志を秘め、大いなる可能性を秘めた17歳。今後のさらなる活躍に期待したい。

※記事中の世界ランキングは2018年11月1日現在

撮影協力/TTC(吉田記念テニス研修センター)

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