子どもに夢を!国枝選手のコーチ、丸山氏がジュニア大会を開催 (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • MA SPORTS●写真 photo by MA SPORTS

 今大会は勝ち負けよりも、試合で練習の成果を発揮すること、今ある課題を知って、テニスを楽しむことの大切さを説いた。また車いすテニスを通して、障がいを持つ子どもや、その保護者のスポーツ交流と相互理解を重視した。時間の都合で実施には至らなかったが、保護者を対象にしたセミナーも開く予定だったという。

「輝かしい成績ばかり注目されますが、国枝も三木もトップレベルになるまでは、たとえば年間400万円くらいの活動費を自腹で出していた。そうした苦労を乗り越えて、彼らは人として成長し、アスリートとして強くなった。人材育成の観点からも、先輩たちの話を生で聞く機会を設け、啓蒙活動にも力を入れていくことが大事だと考えています」と丸山コーチは語る。

 試合後は、国枝選手らとボールを打ち合う時間も設けられた。参加者にとって、自ら道を切り拓いてきたアスリートと同じコートで、同じ空気を共有しているだけでも大きな刺激になったはず。試合の合間に参加者同士で課題を振り返ったりする姿も見られ、それぞれがまっすぐにテニスに向き合う様子が見られた。

 小学5年生の望月悠生(ゆうい)君は、"憧れ"の国枝選手に悩みを相談。「ネットによくボールをかけてしまうと伝えたら、腕を横ではなくて上に上げるようにしてみて、と素振りをして教えてくれました」と振り返り、目をキラキラと輝かせていた。

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