子どもに夢を!国枝選手のコーチ、丸山氏がジュニア大会を開催 (4ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • MA SPORTS●写真 photo by MA SPORTS

「僕がテニスを始めた頃は競技人口も少なく、15人もジュニア選手が集まること自体考えられなかった。いろんな人の目に触れるようになったんだなと思う」としみじみ話すのは、国枝選手だ。

「同じ世代とプレーすると、課題のチェックができるしいい練習になる。何より、ライバル心が芽生えて目標ができるし、それが自身の成長につながる」と話し、次回以降の開催にも期待を寄せた。

 また、観戦にかけつけた女子世界ランキング1位の上地結衣選手も、「(14歳で史上最年少の日本ランキング1位になった)あの頃は、国際大会のジャパンオープンでジュニアの部が設置されたものの人数が集まらず、開催できなかった。私はそのままシニアに上がりました。大人に交じって練習する環境と、こうして同世代が切磋琢磨できる環境の両方があるのがいいと思いますね」と、自身の経験を交えて語ってくれた。

 主催した丸山コーチは、今後についてこう語る。

「将来的には、天候に左右されないコートを確保し、東北や中部、近畿、九州などの開催を目指し、いずれは全国大会にまで育てたい。最長でも2020年までとし、それ以降の運営は企業やイベント会社にバトンタッチしてもいいと考えています」

 地域や企業、また障がいの有無に関係なく、たくさんの人を巻き込んだ仕組みづくりとその定着化に挑む。

 2020年の東京パラリンピックの開催種目は、今のところ22競技。その各競技団体の人材確保と育成、選手強化の取り組みには大きな注目が集まっている。今大会の成功は、そうした他競技の選手や関係者にも大きな影響を与えたのではないだろうか。

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