意外と間違える生理に関する5つの質問 仮入部期間の年度初めに伊藤華英が伝えたい生理の基礎知識と対応 (2ページ目)

  • text by Sportiva

【回答】

■問1 
アスリートに生理はいらない。
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 アスリートにも生理はもちろん必要です。体型・体重・メンタルの変化など、競技へ影響をもたらす生理は、アスリートにとって難しい課題です。一方で、生理をもたらすふたつの女性ホルモンは、骨を強くします。体全体の機能においても、女性の健康にはとても必要なものになりますので、競技を続けていくうえでも必要です。

■問2
生理痛は病気じゃない。
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 生理痛は治療の対象と考えてください。「生理は病気じゃないんだから、我慢すれば大丈夫だ」という声掛けは間違っています。生理痛で生活に支障がある場合は、婦人科受診をお勧めします。「月経困難症」という診断名がつく場合もあり、治療の対象となります。また、辛くなる前に痛み止めを飲むこともお勧めします。アスリートであれば、薬を服用する時はドーピング禁止物質が含まれていないか、Global DRO JAPANのサイトで調べてみてください。競技別、購入国別で検索することができます。

■問3
生理はうつる(感染する)。
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 生理痛はうつりません。意外に思うかもしれませんが、競技スケジュールの関係で、早く生理がきてほしいと思っているアスリートが「私にも生理うつして」とチームメイトに話していることを、私は何度も見聞きしています。しかし生理がうつる医学的な根拠はないと婦人科の先生方も話しています。生理は人それぞれの周期でやってくるので、他の人からうつることはありません。自分の周期を知ることで、対策もスムーズになりますので、まずは自分の月経周期を把握してみてください。

■問4
生理痛の辛さはみんな同じ。
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 生理の辛さは十人十色です。月経周期によるコンディション変化や、そのタイミングは人それぞれ。なかには生理中にコンディションがよくなる人もいます。友達やチームメイトと一緒とは限らないので、一人ひとりが自分の月経周期やコンディションの変化を理解することが重要です。

■問5
生理が止まると調子が上がる。
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 生理が止まると、女性ホルモンの波がなくなるため、気分の浮き沈みや体重の増減が少なくなることはあります。しかし、これまであった生理が三カ月以上止まっている状態を「無月経」といいます。無月経は体が発するSOS。競技のパフォーマンスを低下させるだけでなく、骨折しやすくなる、血管機能の低下、脂質代謝異常など、一生涯にわたり健康に害を及ぼすこともあります。競技への影響を避けるためにも無月経はきちんと対処しましょう。

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