乳がんの母と娘が一緒にボディコンテストに挑戦「新しい母に出会った感じがして本当にうれしかった」 (3ページ目)

  • 武松佑季●取材・文 text by Takematsu Yuki
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

職業別の大会で大畑親子(中央2人)は念願の同じステージに上がった 写真/一般社団法人ベストボディ・ジャパン協会職業別の大会で大畑親子(中央2人)は念願の同じステージに上がった 写真/一般社団法人ベストボディ・ジャパン協会この記事に関連する写真を見る

【また一緒にコンテストに出たい】

「ふたり横並びになるにはエントリーナンバーが続いていないといけないので、ふたり同時にインターネットでエントリーしました。国試を乗り越えて、仕事もして、やっと母の隣に立てた!ってうれしかったです。

 仕事が忙しくて納得できるような状態じゃなかったですが、母はがんが転移している状態。もしも骨折でもしたらヒールを履いて歩くこともできなくなって、一緒にステージに立つ機会が永遠に失われてしまう。だから何が何でも出ようって」(なのはさん)

「それでも順位は娘のほうが上でしたが(笑)。とにかく親孝行な娘で感謝してます。私が巻き込んでいる感があって申し訳ないんだけど......」(たまきさん)

「いや、私はノリノリで出てるんだけどな(笑)」(なのはさん)

 姉妹のような仲睦まじい雰囲気で話すふたり。

 次なる目標を聞くと、「近々、また一緒にコンテストに出たいです」と声をそろえる。おそろいのウエアはその時のために、最近購入したものだそうだ。

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終わり

後編<乳房切除、転移発覚......乳がんの女性(51歳)がビキニを着てステージに立つ理由「残りの人生はおもしろく生きたい」>を読む

【プロフィール】
大畑たまき おおはた・たまき
1972年、千葉県生まれ。ヨガインストラクターやトレーナーを経て、42歳の時に看護師に転職。2022年に乳がんの転移が発覚後、本格的にボディメイクを始め、がん患者でもできる自重トレーニングをインスタグラムで発信。同年夏から「ベストボディ・ジャパン」に出場し始め、2023年には長女のなのはさんと一緒にステージに立つ。2024年3月には著書『乳がんステージ4の私が伝えたいこと: がんステージ4から人生最高のステージに?! がんだからおもしろく生きてます』(Amazon Kindle)を上梓。

大畑なのは おおはた・なのは
2001年、千葉県生まれ。看護学生の時にダイエット目的でボディメイクを始める。現在は看護師として働くかたわら、トレーニングを続け、2023年には、乳がんと闘病しながら筋トレに取り組む母のたまきさんと一緒にステージに立つ。趣味はジムに通うこと。

プロフィール

  • 武松佑季

    武松佑季 (たけまつ・ゆうき)

    雑誌ライター。1985年、神奈川県秦野市生まれ。編集プロダクションを経てフリーランスに。インタビュー記事を中心に各メディアに寄稿。東京ヤクルトファン。サウナー見習い。

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