乳房切除、転移発覚......乳がんの女性(51歳)がビキニを着てステージに立つ理由「残りの人生はおもしろく生きたい」 (2ページ目)

  • 武松佑季●取材・文 text by Takematsu Yuki
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

【自ら考案した低負荷メニューを発信】

 目標が決まれば、あとは努力するのみ。しかし、骨盤にがんが転移しているため、高負荷のトレーニングはできず、自体重、もしくは機材の補助による自体重以下のトレーニングメニューがメインだ。

 現在、看護師として働くたまきさんだが、かつてはトレーナーやヨガのインストラクターを務めていた経験がある。体に負担の少ないメニューを自ら考案し、実施してみて問題なさそうならインスタグラムで紹介。同じような境遇の人にも参考にしてほしいという気持ちからの試みである。

自体重を使ったトレーニングを日々続けている自体重を使ったトレーニングを日々続けているこの記事に関連する写真を見る

 それにしても、自体重を利用したトレーニングのみとは思えない締まった体だ。たまきさんにそう伝えると、「自体重トレーニングでも十分にボディメイクできることを証明したかったので、狙いどおり」と誇らしげに笑った。自信のある部位は、上腕三頭筋だとか。

「腕は筋肉が小さくてつきやすいから、私みたいな高負荷なトレーニングができない方にも効果が実感しやすいんです。大会でわかりやすくアピールできますし。

 二の腕のタプタプした"振袖肉"が落とせるので女性にはおすすめですよ。男性も半袖が似合うようになります(笑)。鍛え方はひざをついて脇を締めて腕立て伏せをすればバッチリ!」

 家でできるようなトレーニングが中心だ。それでも「元気になれる」ジムへ週2〜3回は通い、前向きに体づくりを続けた結果、2022年8月、「ベストボディ・ジャパン」の宇都宮大会に初出場。

 その後、京都、長野、水戸、前橋......と各都市で開催された大会に出場し、コンテストライフを謳歌している。

「コンテストに出場するのもひとつの目標ですが、大会を通じていろんな場所に行って、おいしいものを食べたいというのもあります(笑)。これまで仕事と子育てしかしてこなかったから、ちょっとは楽しんでもいいかなって」

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