SC軽井沢クラブはカーリング日本選手権でなぜ優勝できたのか 敗れたロコ・ソラーレが五輪へ出場するための条件 (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text by Takeda Soichiro

 さて、その2026年五輪だが、出場枠は「10」。今年と来年の世界選手権の結果に応じたポイントが出場各国に与えられ、総合ポイント上位7位(開催国のイタリアが7位以内なら8位)までに入れば、出場権を獲得できる。残り2枠は、五輪直前に行なわれる予定の世界最終予選によって決まる。

 国内選考については、今回優勝のSC軽井沢クラブと来年(2025年)の日本選手権優勝チーム、そして来年の日本選手権開幕時の世界ランキング最上位チーム、最大3チームによる五輪代表トライアルで決定する。

 つまり、過去2大会の五輪でメダルを獲得し、今回の日本選手権でも本命視されていたロコ・ソラーレをはじめ、準優勝の北海道銀行、3位の中部電力などにも五輪出場のチャンスはまだある。

 ただし、世界ランキング最上位チームに関しては、今回の日本選手権、来年の日本選手権のいずれかで3位以内に入賞していないと、その資格を満たさない。現状、世界ランキング最上位はロコ・ソラーレだが、今回の日本選手権では4位という成績に終わった。もし来年の日本選手権でも4位以下になると、その時点で3大会連続の五輪出場はなくなってしまう。

 2016年世界選手権で銀メダルを獲得して以降、トップランナーとしての揺るぎない地位を築いてきたロコ・ソラーレだが、日本選手権でまさかの2次リーグ敗退を喫して、スキップの藤澤五月も、サードの吉田知那美も「崖っぷち」という言葉で現状を表現した。

 はたして、「女王」ロコ・ソラーレの復権はあるのか。それとも、世界を知ることでより逞しさを増していくであろうSC軽井沢クラブが再びその前に立ちはだかるのか。あるいは、北海道銀行、中部電力、フォルティウスらの台頭があるのか。

 五輪開幕まで2年。イタリアへのレースは本格化していく。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る