「猫のために競輪」「家のローン返済のため」...ガールズグランプリのダークホース吉川美穂がイメージするレース展開と意気込み (3ページ目)

  • text by Sportiva

【雨天にも混戦にも対応する強さ】

――では今年、最も調子がよかったのはどのレースですか。

 パールカップ(6月のGⅠ開催)の最終日です。自分から仕掛けて、上りのタイム(最終周のバックストレッチラインからゴール線までのタイム)もよくて、体も動いていました。あとはオールガールズクラシックの決勝も調子がよかったですね。雨が降っていましたが、ロードの経験もあって雨天には慣れていますし、ごちゃついた展開も慣れていました。一度、他の選手につっかかって失速したんですが、そこから差しきれたのは調子がよかったからかなと思います。

――その時のような感覚まで、これから上げていくということですね。ガールズグランプリは1発勝負のレースとなります。1回のレースにピークを持っていくのは得意なほうですか。

 あまりピーキングは得意なほうではなくて、レース前にピークがきちゃうようなタイプなんですよ。ナショナルチームにいた時も、世界選手権の1週間前にすごく調子がよかったり......。それもわかっているので、体調維持に努めて走りたいですね。

――改めて、ガールズグランプリ2023に向けた抱負をお願いします。

 ガールズグランプリを獲ると、700万円という大金が入ります。今、家を建てているので、家のローンのために頑張ろうかなと思います。

――その家には競輪のためのスペースも作るんですか。

 そうですね。トレーニングルームも作っています。あと、猫が好きなので、猫用のキャットウォークも作っています。今は4匹いるんですけど、実は私、猫アレルギーなんですよ。それで猫アレルギーでも飼える猫を調べてみたら、ロシアンブルーがいて、それで飼うことにしました。飼い始めたら、案の定、すごくかわいくて......。いい匂いがするんです。私の生活のほとんどは猫のため。だから猫のために競輪をしています!

――では、猫のために競輪をして、家のローンのためにガールズグランプリを獲ると。

 はい!(笑)

【Profile】
吉川美穂(よしかわ・みほ)
1993年1月15日生まれ、大阪府出身。中学・高校とソフトボールに励み、高校卒業後に、ロードレースの実業団へ。その後、プロロードレースチーム「ライフガーデン・ビチステンレ」、スペインの「ビスカヤ・ドゥランゴ」に所属し、ワールドツアーに参戦する。トラックレース中距離の選手として、ナショナルチームにも6年間在籍。2020年に日本競輪選手養成所に入り、2021年5月にガールズケイリンデビュー。2023年7月の特別レース「ガールズケイリンフェスティバル」で自身最高位となる2着に入り、10月のGⅠ開催「オールガールズクラシック」でも2着となる。12月29日の「ガールズグランプリ2023」に初出場を果たす。

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