「シングルマザーがやることじゃない」親の大反対を説得→涙の表彰台へ ビキニフィットネス・廣中れなは女王・安井友梨に「勝って優勝したい」 (2ページ目)

  • 武松佑季●取材・文 text by Takematsu Yuki
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【大反対の両親に「もう1年ください」】

ーーなんとしても結果がほしい、と。

 鳥取に戻って1年目は両親も「シングルマザーがやることじゃないでしょ」とフィットネスに大反対でした。自分の娘が水着で審査されるのは抵抗があるでしょうし、私には子どもがふたりいて子育てもあります。「フィットネスで食べていけるわけがないし、どうしてそんなに大会に固執するの」って言われました。最初の「オールジャパン」で結果が出なかった時は「もういい加減にしてくれ」という感じでした。

 だから「表彰台で安井さんの隣に並ぶ(2位以上になる)から、もう1年ください」とお願いしました。これが2〜3年かかってしまったら意味がない。両親にも子どもにも心配をかけてしまいますから。1年間マックスジムに通って、これで結果が出なければもう諦めようと。

学生結婚し、大学卒業後すぐに出産した廣中 写真/本人提供学生結婚し、大学卒業後すぐに出産した廣中 写真/本人提供この記事に関連する写真を見るーーたった1年で結果を出すのは至難の業ですよね。

 他の選手と差をつけるなら、ポージングもそうだけど、表情とかもっと深い部分を磨かないと思っていたので、広島のモデル事務所に入ることにしたんです。その事務所にミセスコンテストに出場した経験のある先生がいたので、パーソナルでウォーキングや女性らしい所作を習ったり、モデル活動やラウンドガールにも挑戦して、とにかく見られることに慣れようと努めました。

ーーポージングだけではなく筋肉も必要ですが、トレーニングは特別なことをしたんですか?

 木下先生のもと、可動域も狭いし硬いということでトレーニングのフォームを徹底的に見直すところから始めました。だから特別なトレーニングをしたわけではないんです。トレーニングは長くても1日1時間半。それ以上だと集中力がもたないし、ケガのもとになってしまう。休息も大事なので週5回ほどです。

ーー1日1時間半の集中力はすさまじいんでしょうね。

 短い時間を集中して、種目ごとのインターバルもなるべく1〜2分に抑え、密度を濃く、基礎的なトレーニングをすると決めています。

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