ガールズケイリン先駆者の石井寛子がアルテミス賞レースで涙の地元V「一番練習している人が勝つと自分に言い聞かせた」 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

【2017年の再来に期待】

 レース中、「一番練習している人が勝つと自分に言い聞かせた」石井だが、それは決して根拠のないことではなかった。実際、石井は毎年のように新たな練習を取り入れてきた。時にはそれが自分に合わず、長く続かないものもあったが、今年取り組み始めた練習メニューに関しては、半年以上も続いている。具体的なところは明かしてくれなかったが、それを組み入れたことで、「時間が足りない、休みがない」と感じるほど、練習時間が増えたという。

 その練習が実を結び始めたのは、ここ1~2カ月のことだ。6月に行なわれたガールズケイリン初のGⅠ開催「パールカップ」に向けて全身全霊を賭けて取り組んできたが、直前で大きく体調を崩し、不本意な結果に終わってしまった(東日本ガールズ予選で7着敗退)。 思いが強かった分、「悔しい思いをした」が、それが「どうしたらこのメンバー(パールカップの上位陣)に勝てるのか」とじっくりと考え直すいい機会になった。その結果、充実した練習を積み重ねることができ、万全の体勢で7月の特別レース「ガールズケイリンフェスティバル2023(函館競輪場)」に挑むことができた。

「予選を(初日)1着、(2日目)1着で行けて、思った以上によかったです()。あの練習を続けたから、ガールズケイリンフェスティバルで結果が出たんだとわかりました。今後もそれを維持すること、体調を崩さずに続けることが大事だと思います。今回の優勝でファンのみなさんにやっと恩返しができたなと思っています」
※決勝は3着

 石井にとって、特別レースでの優勝は昨年3月の「ガールズケイリンコレクション2022宇都宮ステージ」以来で、アルテミス賞レースの優勝は2017年以来のこと。ちなみにこの2017年はその後勢いに乗り、ガールズケイリン最高峰の争い「ガールズグランプリ」を制覇している。
両手を振って観客の祝福に応える。この優勝で手ごたえを掴んだ石井両手を振って観客の祝福に応える。この優勝で手ごたえを掴んだ石井この記事に関連する写真を見る

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