引退→現役復帰の共通点を持つ飛込・馬淵優佳とエアロ・北爪凜々 離れて感じたかっこよさと「これしかないと気づいた」自分 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 石川高央●撮影 photo by Ishikawa Takao

―― 一度競技を離れたことによって、見える景色が変わったり、競技の見方が変わったりしたことはありましたか。

馬淵 競技から離れて客観的に見ることによって、選手たちってかっこいいなと思いました。それまで競技をやってきて、自分がかっこいいと思ったことはなかったんです。東京オリンピックもありましたし、後輩たちがあんなに大変な道のりを頑張っている姿を見て、かっこいいなって感じたし、自分で自分をかっこいいと思えるようになりたいと思いました。

北爪 客観的に競技を見ることは本当に大事だなと感じました。私は引退してから(杉原良依)先生の下で2年間アシスタントコーチをやっていて、子どもたちに振り付けを教えたりしていましたが、子どもたちのどうにかうまくなりたいという目の輝きを見て、改めて自分にはエアロしかないんだなと、自分からエアロをとったら何もないなということに気がつきました。自分は踊ることが大好きで、技を追求することが好きだということにも気づけました。

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―― そしてお二人とも復帰を果たしました。その理由を教えてください。

馬淵 後輩たちの姿を見て、パリオリンピックに出たいと思いました。もちろん大変なことではありますが、競技を好きな気持ちを持ちながら、もう一度演技がしたいと思ったんです。だからこそ、自分で復帰すると決めましたし、自分で決めたからこそ、今はすごく楽しいですし、そこに気づけてよかったなと思います。

北爪 私はさきほど引退した理由をやりきったと言いましたが、引退して客観的に競技を見たことで、新たな目標を持つことができました。見ている方の心に残り続ける作品を届けたいという目標が明確になりましたので、復帰をしました。

 子どもたちを指導する立場になって、メンタル面で成長できたかなと思っています。それまではこうでなければいけないという考え方を持っていたんですが、子どもたちを指導していて、それぞれ性格が違って、それぞれの形があっていいんだなと、決められたものなんてないんだなと思いました。それが大きく変わったかなと思います。

馬淵 それを感じて競技に戻られたのであれば、また大きく成長されるのではないかと思いますね。

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