大ケガで「もうトップでは戦えないのかもしれない」→ガールズケイリン初のGⅠ女王へ 児玉碧衣が4車身差でパールカップを圧勝 (3ページ目)

  • ハル飯田●文 text by Haru Iida
  • 安田健示●撮影 photo by Yasuda Kenji

笑顔の児玉 圧倒的な勝利で完全復活をアピール笑顔の児玉 圧倒的な勝利で完全復活をアピールこの記事に関連する写真を見る

 これまでは11月までグランプリ出場権争いが繰り広げられてきただけに、児玉が手にした約半年の猶予が本番に向けた調整で大きな価値を持つことは想像に難くない。

 ガールズケイリンに新設されたGⅠ開催は残すところ10月のオールガールズクラシック()、そして11月の競輪祭女子王座戦のふたつ。グランプリ直通となるGⅠタイトルのその2枠は全選手の目標となるとともに、残り4枠になる出場権争いも必然的に激化していく。
※2024年は4月開催

 今年から大きく改革されたガールズケイリン。その象徴のひとつとなった今回のレースは、想像以上に大きな注目を集めた。GⅠという格付けと価値は、選手たちの気持ちに大小さまざまな変化をもたらしたようで、なかには、思うように調子が上がらない選手もいれば、コンディションを大きく崩した選手もいた。

 しかし出場したすべての選手が、力を振り絞ってゴール線まで踏み込み続けた。強い気持ちのぶつかり合いが見る者を熱くさせた今回の「パールカップ」。ガールズケイリンGⅠ戦線から、今後も目が離せない。

【Profile】
児玉碧衣(こだま・あおい)
1995年5月8日生まれ、福岡県出身。身長168.6cm、体重66.5kg。高校までバレーボールに励み、高校卒業後に競輪学校(現日本競輪選手養成所)に入学。成績2位で卒業し、2015年7月に競輪デビュー。翌月には初優勝を飾る。以降数々の勝利を重ね、2018年にガールズグランプリで初優勝すると、2019年、2020年も制覇。2023年6月、ガールズケイリン初のGⅠレース「パールカップ」の初代女王となった。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る