「半泣き」だった藤澤五月のスキップデビュー 「なんだこれ?」の連続だった初の欧州で衝撃を受けた、のちのライバルとは (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro

藤澤が「天才と呼ぶにふさわしい選手」というイブ・ミュアヘッド(イギリス)。photo by JMPA藤澤が「天才と呼ぶにふさわしい選手」というイブ・ミュアヘッド(イギリス)。photo by JMPAこの記事に関連する写真を見る そしてこの大会を制したのは、イブ・ミュアヘッド選手がいるスコットランドでした。

 私は時々、メディア関係者やファンの方々に「天才」という形容をされることがあります。光栄なことではありますが、自分ではそんなことは全然ないと思っています。

 天才という存在がいるとすれば、ミュアヘッド選手のほうが遥かにその言葉に相応しいと感じています。もちろん、彼女はその才能に見合うだけのトレーニングをしてきたのでしょうが、私が初出場だったこのエステルスンドの大会だけでなく、翌年のカナダ・バンクーバーで行なわれた大会でも頂点に立っています。

 さらに、2010年のバンクーバー五輪に19歳で出場し、(本橋)麻里ちゃんたちの「チーム青森」とも試合をして日本でも注目され、続く2014年のソチ五輪で銅メダルを獲得。若くして世界から認められたトップ選手になっています。

 ご存知の方も多いと思いますが、ミュアヘッド選手とはその後、何度も対戦することになっていきますが、あのスウェーデンでの第一印象は「(年齢が)1歳しか変わらない同じジュニアの選手なのに、もうスキップのオーラがあってすごいな」でした。

藤澤五月(ふじさわ・さつき)
1991年5月24日生まれ。北海道北見市出身。高校卒業後、中部電力入り。日本選手権4連覇(2011年~2014年)を果たすも、ソチ五輪出場は叶わなかった。2015年、ロコ・ソラーレに加入。2016年世界選手権で準優勝。2018年平昌五輪で銅メダル、2022年北京五輪で銀メダルを獲得した。趣味はゴルフ。

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