秋場所で話題の力士2人を錣山親方が解析。どんなところに魅力を感じているのか (2ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 身長186cm、体重135kgの筋肉質でバランスのとれた体躯。左四つの型を持っていて、最近は突っ張りも覚えてきており、ますます楽しみな存在となっていました。

 その若元春、初日はベテラン佐田の海に対して、うっちゃりで勝利。続く2日目には200kg近い巨漢の碧山を速攻で押し出したかと思えば、3日目の宝富士戦では長い相撲の末、またもうっちゃりで白星を挙げました。3連勝のうち、2度のうっちゃりは珍しいことです。

佐田の海にうっちゃりで勝った若元春(写真左)佐田の海にうっちゃりで勝った若元春(写真左)この記事に関連する写真を見る ただ、うっちゃりはあくまでも"逆転勝利"。3日間の相撲内容自体は決していいとは言えません。こういう相撲を取り続けていると、ケガにつながる可能性もあるので、推奨もできません。

 それでも、すばらしいと思うのは、勝負を諦めない姿勢です。それが、好結果につながっているので、その気持ちをこれからも持ち続けてほしいと思っています。

"目立っている"という意味では、新入幕の平戸海(前頭16枚目)もいいですね。

 四股名からもわかるように、長崎県平戸市(平戸島)の出身。小学生の頃から相撲に親しんでいて、地元の中学校を卒業後、境川部屋(元小結・両国)に入門しました。厳しい稽古で知られる部屋で揉まれたことによって、22歳で新入幕を成し遂げました。

 今場所は初日から、実にイキイキとした相撲をとっています。本人も「完璧な相撲です」と振り返ったように、自分が自分ではないような感覚で、いい相撲がとれているのかもしれません。

 彼は先場所、十両8枚目という地位でした。そこで、10勝を挙げて新入幕を果たしたのですが、この新入幕には本人も「まさか!?」と思ったのではないでしょうか。

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