競輪・中野慎詞がデビューから圧巻の6戦全勝。S級入りの18連勝を目指し「勝ち方にもこだわりたい」 (3ページ目)

  • 加藤康博●文 text by Kato Yasuhiro
  • 高橋学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 1月15日からはナショナルチームの合宿に参加。一旦、勝負の世界を離れ、鍛錬の場に身を置いた。大学時代からナショナルチームに所属していたが、プロの世界に足を踏み入れた今、心境の変化はあるのか。その質問に対し、中野は首を横に振る。

「プロになったから何かが変わるってことはありません。大切なのは目の前のことをしっかり積み上げていくことです。競輪であればひとつずつ勝利を積み上げた先に、18連勝という目標が達成できます。合宿では自分のストロングポイントであるパワーをもっと強化して、重いギアで踏んでスピードをさらに磨いていけるように練習するのみです。ナショナルチームに行けば、オリンピックという目標も当然ありますが、高い目標だけを見ているのではなく、目の前のことに集中したいと思っています」

 競輪選手として目指す姿。そして自転車競技で目指す世界への思いはあるが、いまはただ足元を固め、自分を高めることだけを目指す毎日を送る。ナショナルチーム合宿を終えた中野は2月10日からの立川競輪に出場予定。また一歩ずつ前に進むつもりだ。

【Profile】
中野慎詞(なかの・しんじ)
1999年6月8日生まれ、岩手県出身。早稲田大学在籍中。高校時代から自転車競技をはじめ、高校3年時には、国体少年男子スプリントで優勝(200mフライングタイムトライアル、大会新記録)、高校総体個人1kmタイムトライアルで優勝、アジアジュニア自転車選手権大会個人スプリント2位など数々の実績を残す。大学進学後も全日本トラックのケイリンで2位、全日本大学自転車競技大会スプリント1位と好成績を残し、強化指定選手にも選出。2021年に日本競輪選手養成所に入所。同年末に早期卒業を果たす。2022年1月のデビュー戦から6戦全勝を記録。

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