楢﨑智亜、クライミング世界一。「智亜スキップ」で流れを引き寄せた (3ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「金メダルを取ることしか考えていない。準備に使える時間が多いので、より完全な状態で狙いたい」

 今大会は、最大のライバルと目されたアダム・オンドラ(チェコ)がコンバインド予選のリードで反則を冒して決勝進出を逃し、大会を通じて好調だったアレクサンダー・メゴス(ドイツ)もコンバインド決勝ボルダリングで指を痛めて途中棄権となった。昨年の世界選手権コンバインド王者のシューベルトやスピード1位のカイブリンも、来年までに本職以外の2種目のレベルをさらに高めてくるのは間違いない。

 敗者が強大でビッグネームであるほど、メダルの輝きが増すのが勝負の世界。来夏、彼らとの戦いを制し、五輪史で初めて実施されるスポーツクライミングの初代金メダリストとして名を刻むために、楢﨑智亜の戦いは続く。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る