実は男子も強い。「超攻撃的カーリング」のSC軽井沢がアジア王者に (2ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

 特に多くの関係者から指摘されていたのは、攻撃偏重の戦術とショットの選択についてだ。しかし彼らは、世界と互角以上に渡り合うために、自らのスタイルを頑として変えなかった。そして、「毎年、無理をしてでも必ず行った」(両角友)というカナダ合宿を敢行し続けた。

 両角友が振り返る。

「(カナダ合宿では)ゲームを重ねることはもちろん、空き時間はとにかく(他のチームの)試合を見た。ライブで見られない場合は、現地の知り合いに録画をお願いして、(その映像を日本に)送ってもらったこともある。

 彼ら(カナダのチーム)のゲームは、単純に見ていて面白いんですよ。劣勢でも、ドーンと逆転するようなゲームがたくさんあって。やっぱりリスクはあるけど、そこでチャレンジして(リスクを)はねのけたあと、大きなメリットが待っている。でも日本では、いかにリスクを回避するか、というチームが多い。それを否定するわけではないんですけど、僕らの戦術は(カナダでの影響を受けているため)国内では主流でなかったことは確かです」

 強豪が集うカナダで学び、世界と戦うために攻撃的な戦術を貫く――それが、両角友率いるSC軽井沢が標榜するカーリングだ。

 具体的には「速い石」と呼ばれる、1投で局面をすべて変えてしまうような、相当数の石を弾き出す、あるいは連鎖して3つ、4つの役割を果たす、パワフルなショットを磨いてきた。両角友が言う。

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