【体操】補欠からエースに。19歳、村上茉愛がリオ五輪へ急成長! (2ページ目)

  • 椎名桂子●取材・文 text by Shiina Keiko
  • 岡本範和●写真 photo by Okamoto Norikazu

 続く段違い平行棒でも、日体大の第1演技者を務め、13.850と後続の選手に勢いを与える演技を見せた。

 日本人離れした高難度のゆかの演技で一躍注目された高校生のころの村上は、得意種目のゆかと跳馬では躍動するものの、苦手な平均台と段違い平行棒では演技がぎこちなくなり、ミスもよくする選手だった。しかし、今では段違い平行棒でも彼女の持ち味である弾けるような躍動感あふれる演技をするようになった。体線やさばきも美しくなり、それでいてダイナミックさも健在な、オールラウンダーに成長したのだ。

 今大会、村上は2種目しか出場できなかったが、先輩たちがその穴をしっかりと埋め、日体大は優勝。見事、連覇を達成した。

 試合終了後の会見で村上は、「日体大としての初めての団体戦で、絶対にミスはできないという緊張はあったけど、最初の跳馬でいい流れを作ることができて、最後の(永井)美津穂さんのゆかまでチームとしていい感じで終われてよかった」と、1年生らしく、チームの一員としての役割を果たせたことを喜んだ。

 さらに、「今回は2種目しかチームに貢献できなかったけど、今やれることはしっかりやれたと思う。来年は4種目で貢献できるようにしたい」と、早くも次のシーズンに向けての意欲を見せた。

 よくも悪くも村上は感情がストレートに表に出るタイプの選手だ。調子が悪い、気分が乗っていないなどが表情や動きに出てしまう。

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