【月刊・白鵬】球界の「レジェンド」たちの引退に、横綱が想うこと (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 男子アスリートのピークは、一般的に25~27歳くらいの間ではないかと、私は考えています。自らのことを振り返ってみても、心身ともに充実していたのは、この時期だったかな、と思うからです。

 充実感があるので、次の日まで疲れが残ることがありません。ちょっと前のことなんですが、30歳になった今、「あの頃に戻りたいな……」なんて思ってしまうこともあるくらいです(笑)。

 ただ、それはあくまでも身体的な部分なのでしょう。年齢を重ねてからでも、それまでの経験などから得た、若い頃とは違う“武器”を手にすることで、結果を出していけるのでしょうね。

 そういう意味でも、今季限りで引退した山本昌投手(中日)は、ジャンルは違えどもアスリートとして本当に尊敬する先輩です。プロ野球の世界で50歳まで現役を務め、まさに“スーパー・アスリート”であり、“レジェンド”だと思います。

 山本昌投手とは、名古屋場所の前後などに、何度か酒席をご一緒させていただきました。本当に楽しいお酒を飲まれる方で、なおかつカラオケもお上手です。私も歌うのは嫌いなほうではありませんが、圧倒されましたね(笑)。

 そんな山本昌投手だけでなく、プロ野球界では今年、一時代を築いた名選手たちがこぞって引退しました。巨人の高橋由伸選手と井端弘和選手、中日の選手兼任だった谷繁元信監督や、和田一浩選手、小笠原道大選手。さらに、オリックスの谷佳知選手に、メジャーリーグでも大活躍された楽天の斎藤隆投手……。

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