【月刊・白鵬】世界で躍動する田中将大と松山英樹の「魅力」 (3ページ目)
まさに、松山選手もそのひとりだと思います。まだ22歳という若さでありながら、それを実現できているというのは、本当にすごいこと。22歳と言えば、私が横綱になった年齢です。当時の私は、ふたりの自分をどれだけ使い分けられていただろうか……。松山選手の活躍を見るにつけ、そんなことを考えたりもしますね。
まあでも、私も不器用ながら、横綱という存在と、ムンフバト・ダワージャルガルという一青年との均衡を、うまく保ってこられたからこそ、今があるのかな、とも思います。毎日、横綱として気を張っていたら、さすがに体が持ちませんからね。
ともあれ、世界を相手に結果を残しているマー君と松山選手には、これからも注目していきたいです。実際、ふたりには昨年末の『報知プロスポーツ大賞』の授賞式で顔を合わせているので、余計に応援したい気持ちが強いです。どんなスポーツであれ、若い選手が活躍するのは、本当に気持ちがいいものですね。
翻(ひるがえ)って、29歳の私も負けてはいられません。「あの頃はよかった」と感慨に浸ることなんてありませんよ。まだまだ横綱として、成し遂げなければならないことが、たくさんありますから。
著者プロフィール
白鵬 翔 (はくほう・しょう)
1985年3月11日生まれ。モンゴル・ウランバトール出身。本名:ムンフバト・ダヴァジャルガル。宮城野部屋所属。2001年3月場所の初土俵から順調に昇進し、2007年7月場所で横綱昇進を果たす。以来、安定した相撲で勝ち星を重ね、数々の記録も打ち立ててきた
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